オトナの社会科・中東からの声を手掛かりに。

syuklm.exblog.jp

<   2017年 04月 ( 3 )   > この月の画像一覧

「北朝鮮危機」に考える国防part1・「空母出動」ってどれくらいヤバイの?そもそも空母ってナニ??





**本日のINDEX***



1■そもそも空母ってナニ? ■

2■「空母1隻向かったから即戦争」がありえない理由。■

3■次の動きは? 神奈川の基地を観れば見えてくる■



*****






北朝鮮のミサイル発射や、

アメリカ空母カール・ビンソン

出動などの応酬で、「危機」が

語られている今だからこそ、

ひとつひとつの事実の意味を

見ておきたいと思います。




結論から言うと、

「空母1隻動かしたから即攻撃」

はナイと考えます。


米軍の今までの出撃実績と、

神奈川の米軍基地の

最新状況から見ると。




もちろん、トランプ大統領は、

歴代の外交官や識者から見ても

「予測不能」なので、

予断を許しませんが。







1■そもそも空母ってナニ? ■






今更かもしれませんが、

「空母」って何なの?ってトコから。




軍事オタクでもマニアでもない

シロウトが、自分の言葉で

噛み砕ける範囲で書いてみますと。





◆ざっくり言うと「モバイル空爆基地」◆





空母とは、

航空母艦=航空機の母艦のこと。





戦闘機の滑走路ごと

船に乗っけて運ぶイメージ。

なので、まな板のように

長ーーい甲板になってます。




▼この甲板ごと運んで、

飛び立った爆撃機が「目標」を空爆。

その飛行距離は実に5,000キロ。

b0343370_20521614.jpg



わざわざ米軍基地を新築したり

維持しておかなくても、

世界中、いつでもどこでも

持ち運んで爆撃することが出来る

わけです。





が、この空母、防御力はほぼゼロ、

まな板だけの無防備状態。


なので、空母を防衛するための

護衛艦(トマホークミサイル、

イージスシステム搭載艦)とか、

潜水艦とか、いろいろ引き連れて

1セットで移動するんですね。

このカタマリが「空母打撃群」▼

b0343370_14442104.jpg

NHK「ニュースウォッチ9」424日放送より〕








2■「空母1隻向かったから即戦争」がありえない理由。■





で、この空母打撃群は、

米軍の場合、

実際に攻撃を実行する時は、

通常2群(2セット)以上で

行動しています。




1セットでも十分に「制圧」は

可能ですが、念のため

バックアップの2セット目を

付けているんです。




実際、湾岸戦争でもイラク戦争でも、

空母5隻体制(5セット)で

出撃しました。




今回、カール・ビンソン1

セットしか動かしていない

というのは、だから、

今すぐ戦争する気は無い

というメッセージに読めます。







3■次の動きは? 神奈川の基地を観れば見えてくる■






では、今後はどうか?



出動態勢が長期化すると、

カール・ビンソンと「交代」

するといわれている原子力空母

ロナルド・レーガン。




神奈川県横須賀市の米軍基地を

母港としています。


長年、地元で基地ウオッチをされてきた

「ヨコスカ平和船団」の方に

最新状況を伺ったところ、


「ロナルド・レーガンは、

定期修理に伴う

放射性廃棄物の搬出が

終わりましたが、

NLPもまだ始まっていないので、

連休明けに試験航海、

そして本格出航と思われます。



空母2隻体制でないと

攻撃はしないので、

動向を見る必要があります」

とのことでした。





2017425日のロナルド・レーガン。

まだ定期修理中。

 〔ヨコスカ平和船団HPより拝借いたしました。

有難うございます〕

b0343370_20500127.jpg



「ヨコスカ平和船団」FacebookHPはコチラから▼

https://www.facebook.com/yuyukoukai/?fref=ts

http://heiwasendan.la.coocan.jp/ 






少なくとも、今日明日すぐに

2セット同時に出撃する体制には

全くなっていないということです。




そもそもここ最近、米軍は

空母の空爆による先制攻撃を

していません。




繰り返された

「すわ有事・即攻撃か??」

のような報道や政府発表が、

かなり問題だと思います。






もし危機というのなら、

それこそどうやって

「有事」を回避するのか、

必要なのはそういう情報

なのではないでしょうか。





【「北朝鮮危機」に考える国防part2・

現実を読み解くための軍事リアル・

はじめの一歩:ざっくり空母の歴史と現状】

に続きます



http://syuklm.exblog.jp/26831699/





【参考図書】

「知られざる空母の秘密」柿谷哲也氏著・2010年発行▼
(ミリタリー好きの方の心理などもよくわかります)
b0343370_19202242.jpg


【当ブログ内関連記事】


2016.2.9UP 北朝鮮「ミサイル発射」。抑止力頼みでは解決しないのでは?▼

http://syuklm.exblog.jp/25342606/


2016.12.11UP 【動画アリ】元アメリカ兵と行く神奈川の米軍基地 part1・厚木基地;爆撃機の訓練場/直近に遊び場・民家・国道が…▼

http://syuklm.exblog.jp/26448135/


国防・北朝鮮・安保などはコチラのカテゴリにまとめました▼

安保法・安全保障・日米関係/戦争と平和





byしゅくらむ


シュクラムは、アラビア語で「ありがとう」。
筆者が知る数少ないアラビア語です。
ココでの出会いと、ここまで読んで下さったことに、感謝をこめて。
シュックラム!



↓よろしかったらポチポチっと押していただけますと励みになります↓

にほんブログ村 旅行ブログ 中東旅行へ   

にほんブログ村   人気ブログランキングへ

にほんブログ村 政治ブログ 政治・社会問題へ
にほんブログ村
by shuklm | 2017-04-30 21:50 | 安保法・安全保障・日米関係/戦争と平和 | Comments(0)

地味にTwitterもやってます。





b0343370_21490357.png



最近は、シリア人の友人の言葉 特集。



#シリア

#シリア人にきいてみた

#シリア人の声 


など、つぶやいてます。



b0343370_21214099.png









b0343370_21434986.png
b0343370_21441226.png
b0343370_21263572.png






b0343370_21482989.png






シリアだけでなく、他の時事ネタも

折々に触れていきます。




よろしかったらフォローお願いします☆▼

https://twitter.com/shukrum17moya


b0343370_21320610.png




byしゅくらむ


シュクラムは、アラビア語で「ありがとう」。
筆者が知る数少ないアラビア語です。
ココでの出会いと、ここまで読んで下さったことに、感謝をこめて。
シュックラム!



↓よろしかったらポチポチっと押していただけますと励みになります↓

にほんブログ村 旅行ブログ 中東旅行へ   

にほんブログ村   人気ブログランキングへ

にほんブログ村 政治ブログ 政治・社会問題へ
にほんブログ村
by shuklm | 2017-04-13 21:59 | シリア人の友人のこと・難民・シリア関係 | Comments(0)

シリア私見・アメリカのミサイル攻撃を巡って:シリア人の友人の言葉を手掛かりに。





1■「祖国が破壊されるのも、アラブ人が傷つけられるのも望まない」■
2■シリア人の望まぬ内戦を激化させたのは?■

3■ロシアはなぜあんなにもアサド政権を支えるのか?■

4■「アサドを倒せばOK」か?■






神奈川新聞 2017年4月8日付1面

「米、シリア政権軍攻撃 

空軍基地にミサイル59発

化学兵器使用断定 

首相、支持を表明」



神奈川新聞 ネット記事はコチラ「カナロコ」から

http://www.kanaloco.jp/sp/article/243027

http://www.kanaloco.jp/sp/article/243149

http://www.kanaloco.jp/sp/article/243104




今回のミサイル攻撃のきっかけとなった

化学兵器で双子の子らを亡くした

若い父親の映像を、私も観ました。



彼の嘆きに、贖う言葉など

見つかるはずもなく。





同時に、では中東で何度も

繰り返されてきた今までの犠牲は

何だったの?という思いも湧きます。





だからといって、

「もっと早くやるべきだった。

どんどんやれ」という反応には

到底賛同できないし、


「北朝鮮のことがあるから、

シリア空爆OK」という追認も

違うと感じます。





一番問題だと思うのは、肝心の、

多くのシリアの人たちの思いが

聴こえてこないということです。





シリアの未来は、シリアの人たち

自身で選択できるようにすべきはず。





どうすればそれが可能なのか?






簡単に言えることじゃないのは

百も承知してますし、

私は中東問題の専門家でも

研究者でもありませんが、


シリア人の友人の言葉や

識者の思索などを辿りながら、

わずかでもそれを探っていきたいと思います。







1■「祖国が破壊されるのも、アラブ人が傷つけられるのも望まない」■






現在時点で、化学兵器を使用した犯人は不明です。


仮にそれがアサド大統領でなかったとしても、

アサド政権に問題がないなどと

言うつもりはありません。




イラク戦争前、

日本に留学していて知りあった

シリア人男性の友人も、

「長年民主化を弾圧してきた

アサドは酷い大統領」

「選挙はあるけど出来レース。

結局は世襲の独裁だよ」と憤っていました。




しかし一方で、悲しい表情で

こうも言っていました。


「だけど、だからと言って、

アメリカの好き勝手にされるのは困る。


これがすごく難しい問題なんだ」




「(アメリカに攻撃されたら)

私が帰る国がなくなってしまうかもしれない。


それは本当に耐えがたいことだよ」




「なにより私たちはアラブ人だから。


サッダーム(フセイン)のことは

皆大っ嫌いだけど、

同じアラブ人が傷つけられるのは

誰も望んでないよ」、と。








2■シリア人の望まぬ内戦を激化させたのは?■





そもそも今のシリアの混乱の元を

作ったのはアサド大統領だけではない。







ジャーナリスト重信メイさんによると、


シリア民主化を求め声を挙げた人達が

「腐敗の改善や自由を願ってきたのに

いつのまにかアサド政権を倒すという

目的にすりかえられ、自分たちの

運動が乗っ取られてしまった」と

語っていたそうです。




重信メイさん著『「アラブの春」の正体 

―欧米とメディアに踊らされた民主化革命』

201210月発行・角川oneテーマ21新書)では、


その混乱に乗じてISやアルカイダ等の

「外国勢力」が入り込んで泥沼化したと

論証されています






シリア人が誰も望んでいなかった内戦を

煽ってきたのは、

メディアと欧米によってつくられた

「独裁者アサドVS民主化勢力」という

報道にあったというという指摘は、

無視できないものだと思います。







そして何より、ISを養成してきたのが、

他ならぬ欧米だったという事実も。


中東研究家・板垣雄三さんが指摘されています。

(20153月発売「DAYS JAPAN」より)



もともとはアサド政権を転覆させるために

「反政府勢力」に、武器と資金と

武装訓練を投入してきたのは欧米だと。









そして今、ロシアとアメリカの介入で

複雑化し出口が見えない。





どこから道筋をつければいいのでしょうか。








3■ロシアはなぜあんなにもアサド政権を支えるのか?■






国際政治学者・高橋和夫さんが、

ロシアにとってのシリア問題の

重要なポイントについて

解き明かされていました。


それは2つ。


①シリアにいるロシア人同胞の安全確保


②チェチェンへの飛び火を防ぐこと





BLOGOS 2015118日付

高橋和夫さん執筆

「シリアに軍事介入 

ロシアはなぜアサド政権を守ろうとするのか?」▼

http://blogos.com/article/143457/






***一部抜粋・シェアココから**





”ロシアとシリアの関係は外見よりも深い。

それは1950年代のソ連時代にさかのぼる。”



”ソ連は1950年代中盤に兵器の供給を通じて

エジプトやシリアなどのアラブ諸国に接近した。


兵器の供給は、兵器を操作する要員の訓練を必要とする。


多くのシリア人の青年が訓練のためにソ連に送られた。


例えば、その一人にハーフェズ・アサドというミグ戦闘機のパイロットがいた。

後にシリアの大統領となった人物である。

現在のバシャール・アサド大統領の父親である。




ソ連に送られたのは、軍人ばかりではなかった。”


”シリアを含むアラブ世界からの留学生の大半は男性であった。

そして留学中にロシア女性と恋に落ち、

多くのアラブ人がロシアの花嫁を伴って帰国した。


シリアの場合、その数は2~3万と推定されている。


その結果、子供まで含めると数万のロシア系の人々が

アサド政権の支配地域に生活している。

ロシアとシリアを結ぶ人間的な絆である。


ロシアのプーチン大統領にとっては、

シリア問題の重要なポイントは同胞の安全確保である。”





”もしアサド政権に対してイスラム急進派が勝利を収めれば、

チェチェン人は、その余勢を駆って帰国しロシアでの闘争を激化させるだろう。


プーチンにしてみれば、この面からも急進派の勝利は阻止したい。”





***シェアココまで****







私のシリア人の友人も、

日本の大学院へ留学する前、

ロシアに留学し、現地でロシア人女性と結婚していました。




まさに、ここに登場する

「ロシアが同胞と見なすシリア人」

にあたります。





日本の大学院を卒業後、シリアに帰国、

その後音信不通となってしまった友人が

今回のアメリカの空爆等を含めた

内戦下で、生き延びているのかもわかりません。



その彼も、ロシアが「助太刀」で

祖国を破壊してほしいなどとは

望んでいなかったと思います。








4■「アサドを倒せばOK」か?■






だから、

「アサド独裁政権を倒せばすべて解決」

とか、そういう単純な問題ではないでしょう。






そうしたことを踏まえたうえで、

日本は何が出来るのか。





少なくとも、「悪い政権」を

武力で転覆させて入れ替える

という欧米の常套手段を、

戦後日本は採ってこなかった。



ロシアとも欧米とも違う位置があった。




それを「とにかくアメリカ支持」で

簡単に投げ捨ててはいけないと思います。






そして、

「北朝鮮のことがあるから、

いざという時にアメリカに守って

もらうためには、シリア空爆もOK

という主張は、あまりにも非道だし、


「日本の安全のためになるかどうか」

という判断基準を持ち出すのは、

間違っているのではないでしょうか。





なぜ日本の安全のために

シリアの人たちの命が

差し出されなくてはいけないのか?





もしそれを是とするのなら、

冒頭の若い父親の嘆きを、

繰り返してよいと宣言するのと等しいのです。







【当ブログ内関連記事】


【シェア】「楽園」だったシリア。内戦前の鮮やかな写真の数々。▼

http://syuklm.exblog.jp/25140579/


シリア人留学生の言葉2。イラク攻撃直前にきいた、「イラクと独裁者と中東の民主化」のこと。▼

http://syuklm.exblog.jp/24177306/


シリア・「乗っ取られた」民主化の声。▼

http://syuklm.exblog.jp/24243586/


その他、シリアの難民・支援・映画のことなどをまとめました。

よろしかったらこちらからご覧ください▼

カテゴリー「シリア人の友人のこと・難民・シリア関係」

http://syuklm.exblog.jp/i10/




※2018年2月21日、エキサイトさんの「常時SSL化」と同時に、Facebookシェア件数がゼロになってしまいました。
この記事には184シェアをいただいていたので、とても残念です。
これだけ同じ想いの方がいるという事実に鼓舞され、前へ進む力を与えていただきました。
御礼を記しておきたいと思います(2018.3.5)


※文章加筆しました(2018.4.14)




byしゅくらむ


シュクラムは、アラビア語で「ありがとう」。
筆者が知る数少ないアラビア語です。
ココでの出会いと、ここまで読んで下さったことに、感謝をこめて。
シュックラム!



↓よろしかったらポチポチっと押していただけますと励みになります↓

にほんブログ村 旅行ブログ 中東旅行へ   

にほんブログ村   人気ブログランキングへ

にほんブログ村 政治ブログ 政治・社会問題へ
にほんブログ村
by shuklm | 2017-04-08 22:38 | シリア人の友人のこと・難民・シリア関係 | Comments(0)