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オトナの社会科・中東からの声を手掛かりに。

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自己責任論に抗うpart1:ジャーナリストが現地にいるだけで「世界は見捨ててない」というメッセージになる。






■「紛争地」の人たちの声■





シリアで3年以上も拘束されていた

安田純平さんが解放され、

とにかく無事であったことを

心から喜びたいと思います。




ISの人質となった後、

2015年殺害されてしまった

後藤健二さんや

湯川春菜さんのような

最悪の結末が回避されて、

本当に良かった。




一方で、またしても吹き荒れる

「自己責任論」に対して、

これだけは伝えておきたいことを書きます。






「紛争地」の人たちがどんなことを

望んでいるのか、知っていますか?






安全な水と食料と住居、

経済的な支援等なども

もちろん必要ですが、


私が出会ったパレスチナの人達は、

異口同音に言っていました。




「ここにいてくれるだけでいい」


「世界から見捨てられていると

感じることが一番辛いんだ」と。





だから、

ジャーナリストの方々や

人道活動家の方々などが

その現場にいるだけで、

外部の眼があるだけで、

意味があるんです。




「世界は決してあなた達を

見捨ててはいないよ」という

メッセージになるんです。






安田さんのしようとしていた仕事は、

日本にいる私達の代わりに、

眼や声になることでもあったのでは

ないでしょうか。







▼イスラエル軍に破壊されたジェニン難民キャンプにて (著者撮影)

200267日、パレスチナ自治区・ヨルダン川西岸地区

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▼パレスチナのこどもたち (著者撮影)

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■「紛争地」と括らないで■







私自身はジャーナリストでも

NGO職員でもありませんが、

現地へ行って実感したのは、

あらかじめ「紛争地」や

「危険地域」なるものが

存在している訳ではない

ということです。




そこにあったのは、ただ

危険に晒されている人達と、

破壊された日常生活でした。






だからこそ、

そこに生きてきた人たちが

これまでどんな思いで

どんな暮らしを送ってきたのか、

どんな未来を夢見ていたのか、

そしていま何を想うのか、

それを伝えたいと願うのは、

ジャーナリストであっても

なくても、関係ないのではないでしょうか。






もしも報道関係者をも

行かせないというのであれば、

それは現地の人に対して、

「世界はシリアを見捨てた。

死んだとしても知ったことではない」

という宣告に等しいのです。










※「じゃあそれと別に、

プロとしての自己責任はないのか??」

といったことについては、

part2に書きたいと思います。








【当ブログ内関連記事】


2015年日本人人質殺害事件の直後に書いた記事です。詳細はぜひコチラをご覧ください。

哀悼…紛争地で望まれている支援とは?→ジャーナリストやNGOはその場にいるだけで人道支援になりうる。



▼内戦で変わってしまったこと・変わらぬ願い

シリアの若者たちを追ったドキュメンタリー「それでも僕は帰る」。



▼私たちに出来ること。

シリア伝統アレッポの石鹸で全身ケア






byしゅくらむ



シュクラムは、アラビア語で「ありがとう」。
筆者が知る数少ないアラビア語です。
ココでの出会いと、ここまで読んで下さったことに、感謝をこめて。
シュックラム!



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by shuklm | 2018-10-27 15:55 | 「テロ」・IS・イスラム・宗教について