オトナの社会科・中東からの声を手掛かりに。

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沖縄とパレスチナで見たそっくりの光景、言われた同じ言葉。「帰ったら日本を変えてほしい」






■私が見た沖縄とパレスチナ、デジャヴュのような相似形■






もう10年以上前ですが。

パレスチナ自治区を訪れた時、

あまりの既視感に目を疑いました。



「初めて来たのに、

なんでこの風景を

私は知ってるんだ??」




見渡す限り続く、

整然と区画された田園風景。


車窓いっぱいに見える

広大な敷地は、すべて

イスラエルに占領された土地。






1997年の少女暴行事件後、

嘉手納基地を包囲する

ヒューマンチェーンに参加

するために

沖縄を縦断する国道を

北上しながら見た風景が、

まさにそれでした。



広くてゆったりした

綺麗なビーチやデカイ敷地は、

全部が米軍基地。


縮尺を間違ってるんじゃないか

と思うくらい狭い場所に

ひしめくように押し込められて

いるのが、地元の人たちの家々。





びっくりするほどの相似形を

成していたその風景は、

成り立ちまでが似通っていました。






パレスチナの人が

かつて住んでいたのに、

中東戦争によって追われた土地。


目の前にあるのに、

いまは立ち入ることも

耕すこともできない占領地。






沖縄戦後、アメリカ占領下で

多くの土地が米軍に接収され。

終戦後やっとの思いで

再建した家や畑を、

朝鮮戦争時、

「銃剣とブルドーザー」で

追い出され

米軍基地が拡張されて。



金網の向こうに見えている

自分の土地に立ち入ることも、

子どもの頃に登って遊んだ

庭のガジュマルの樹に

触れることもできないまま

60年以上が経過。







そして、現在。



学校へ向かう子供たちが通る

生活道路を、銃を持った

フルメタルジャケットの

兵士が闊歩する風景も、

パレスチナと同じ。




▼これが日本か 米兵が銃持ち県道を移動、沖縄・高江

2016年7月27日付 琉球新報

http://ryukyushimpo.jp/news/entry-324192.html

画像も同紙から拝借しました▼

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オスプレイが「不時着」しても、

小学校に米軍機部品が落下し

避難シェルターまで造られても、

飛行を止めることすらできない。


沖縄は占領下じゃないのに、

占領状態がそのまま残っている。




これって独立国なの??







■基地の始まりがそもそも国際法違反■







こうした米軍基地問題の

始まりの問題点について、

沖縄選出参院議員の

伊波洋一さんが指摘されています。



▼伊波洋一さんTwitterより

https://twitter.com/ihayoichi/status/1037579357823201281

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***シェアココから***



”沖縄の基地問題の原点は

米軍占領による住民からの土地強奪。

占領軍による住民財産の没収は

ハーグ陸戦条約「第四六條 

私有財産ハ之ヲ没収スルコトヲ得ス」

によって禁じられている。


米軍基地の返還を求めることは

沖縄県民の正当な権利である。


普天間基地の返還で県内に

新たな基地を求めるのは不当だ。”




***シェアココまで***





少し解説させていただくと、

基地問題の始まりが、そもそも

戦時の敵国領土における

軍の権力について定めた

ハーグ陸戦条約違反だと。


たとえ占領していても、

住民の財産や私有地を勝手に

没収することは国際法違反だと。


この指摘は全くその通りだと思います。



(イスラエルの占領地での入植も

国連安保理や国際司法裁判所から

何度もダメだと勧告されています)




占領者によって

奪われた土地を返還させる

正当な権利を行使しないで、

どこが独立国家なんでしょうか?







■沖縄でもパレスチナでも言われた言葉「帰って日本を変えてほしい」■






なので、

「沖縄ガンバレ」みたいな声を

見聞きすると、

悪意がないのは重々承知して

いるのですが、どうにも

「わじわじ」して

居心地が悪くて仕方ないんです。





パレスチナでも沖縄でも、

言われたのは同じ言葉でした。





「日本に帰ったら、

アメリカの戦争を支えている

日本を変えてくれ」と。







沖縄で交流した様々な人達からも

異口同音に言われました。




平和バスガイドの草分け・

糸数慶子さん(現・参院議員)、


「基地・軍隊を許さない

行動する女たちの会」の

メンバーの女性の方々、


読谷村の反戦地主・知花昌一さん、


「沖縄のガンジー」と呼ばれた

阿波根昌鴻さん(故人)も、


「沖縄が基地を望んだことは

一度もない。

沖縄に基地を置いているのは、

本土の側。

だから本土へ帰ったら、

日本政府を変えて欲しい」、と。






▼阿波根さん達が島ぐるみ闘争の時に建てた

「伊江島 土地を守る会」の団結道場

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■大事なのは、「最前線」を作らせないこと■






実際、

「最前線」の現場で

出来ることは限られます。



パレスチナでは、

私たち市民ツアーの一行は

迫りくるイスラエル軍の

戦車を止められず、

なす術なく難民キャンプを

後にする事しかできませんでした。



沖縄では辺野古の新基地建設完成が

非暴力の直接行動で

10年押しとどめられてきましたが、

でもそれだけでは、

全体状況を止められない。



そうした現地での直接行動を

無駄にしないためにも、次々と

機動隊などを送り込んでくる

政府を止めないと、

延々とどこかで繰り返される。




だから、

いかに最前線を作らせないかが

肝心なのだと。


沖縄とパレスチナで

自分なりに学んだ

最大のことはそれでした。







■最前線で争い合わされるのは■





そして、忘れてはならないのは、

「最前線」で争い合わされるのは

いつも普通の人たち同士

だということです。




沖縄の新基地建設工事を

止めようと座り込む

沖縄戦を生き残った

おじいやおばあを

排除しているのは、

地元沖縄の軍警だけじゃない。


神奈川や大阪など

あちこちの県警から派遣された、

若い機動隊員や、警備員たち。




▼高江の機動隊員や警備員たち

Photo by ママ崎ママ

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パレスチナでの占領を

やめさせようと

非暴力で訴える人達を

実弾や催涙弾で追い散らして

いるのは、

つい数週間前まで

ニンテンドーのゲームを

やっていたような、

189歳の新兵たちでした。




▼ひとりひとりは人懐い笑顔のイスラエル兵たち。

2002年6月、パレスチナ自治区

ヨルダン川西岸地区にて

Photo by しゅくらむ(筆者)

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機動隊員も警備員も、

そして若いイスラエル兵も、

ただ自分の仕事をやっているだけ。


誰もわざわざ争い合いたくなどない。


なのにやりたくもない仕事を

しなくてはならないから、

暴力的・排他的になる。







そして、選挙などのたびに

選択を迫られ、いつも

分断に苦しめられるのは、

地元で暮らしている人達です。




そういう現場に、

人を追い込んではならない

のだと思います。




彼らをそういう場に

追いやっているのは誰なのでしょう?




沖縄の主産業が基地で

基地が無いと生きていけない

経済だったのは、

いまや過去の話です。



基地が無くなって困るのは、

一番基地を望んでいるのは、

いまや本土の方ではないですか。





<沖縄基地の虚実11>跡地の経済効果28倍 基地、発展の足かせに

琉球新報 2016年5月22日付

http://ryukyushimpo.jp/news/entry-283959.html

画像も同紙より拝借しました▼

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■簡単に言えないからこそ。日本の何を変えればいいのか?■






現在、激戦が伝えられている

沖縄の知事選。

非常に厳しい選挙だと思います。



私自身は、翁長知事の遺志を引き継ぐ

玉城デニーさんを支持します。



一方で、本土で生活していて

沖縄で生きていく訳でもない私が、

軽々に言えないとも感じていて。


それを承知で、

それでも何かをせずにはいられない。



日米同盟が必要だとしても、

こんな占領状態のままでいいのか??



せめて現状を伝えることくらいは

しなくてはと思い、

書き綴っています。




沖縄の選挙の結果がどうあれ、

沖縄の中だけの選択に

し続けている限り、

解決が難しいからです。




では、

日本本土の何を変えることが

必要なのか?





「アベ辞めろ」を主張するだけ

では危ういと感じています。


民主党政権時代の野田総理も

米軍基地は地位協定により

提供し適切に使用していると

答弁しました。




最大の要因はやはり、

「沖縄は大変だと思うけど、

やっぱり北朝鮮とか

中国が心配だし、

米軍がいないと困る…」という

本土の精神構造でしょう。



つづめて言えば、

「守ってもらってるんだから

占領状態でも仕方ない」。



それが変わらなければ、

誰が首相でも

どの党が政権を執っても同じ

だと思います。





だからこそこの際、

再検証しておきたいんです。


ホントに「米軍は日本を

守ってくれてる」のか??






■日本防衛が目的じゃない?!■





日米地位協定と他国の地位協定の

国際比較に徹底的に取り組まれた

伊勢崎賢治さんと布施祐仁さんの著書

「主権なき平和国家」から見てみます▼

(201710月集英社クリエイティブ発行)




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***一部抜粋ココから****



※見出しと◆はしゅくらむによります※




”アメリカは日米安保条約によって

日本を防衛する義務を負っていますが、

そのためだけに日本に米軍を駐留

させているのではありません。


むしろ、第一の目的は、

日本の防衛以外にあります。”




【例証】



1968年アメリカ国防総省作成の極秘文書

「日本と沖縄の米軍基地・部隊」

(アメリカの民間機関「ナショナル

セキュリティ・アーカイブ」が

情報公開法に基づいて入手し公開)


「(日本に)日本防衛のための基地は一つもない。

いくつかの部隊が副次的に、

そのような任務を持っているだけだ」




1993年から1995年まで陸上自衛隊

トップの陸上幕僚長を務めた冨澤暉氏


「在日米軍基地は日本防衛のためにある

のではなく、アメリカ中心の世界秩序の

維持存続のためにある」


(公益社団法人「安全保障懇話会」

20092月の会報)




1991年の特別協定を結んだ時の

アメリカ国防長官、ディック・チェイニー氏も


「米軍が日本にいるのは、

日本を防衛するためではない。

米軍にとって日本駐留の利点は、

必要とあれば常に出撃できる前方基地

として使用出来ることである。


しかも日本は米軍駐留費の75%を

負担してくれる。


極東に駐留する米軍は、

米国本土から出撃するより

安いコストで配備されている」


199235日、米下院軍事委員会)





”実際、在日米軍基地は、

朝鮮戦争、ベトナム戦争、湾岸戦争、

アフガン戦争、イラク戦争と

アメリカが第二次世界大戦後に

アジアや中東で行った軍事行動の

ほとんどで出撃拠点や兵站拠点

として使われてきました。”




****一部抜粋ココまで***







そして実際、最新の

米軍の対中戦争シミュレーション

「オフショア戦略」でも、

日本を防衛するなんて書いていないのです。



もし戦争になったら、


「米軍はまず逃げる」


って言ってるんです。




「実際に戦うのは自衛隊で、

戦場は沖縄と日本本土、

アメリカはちょこっと作戦に

アドバイスするだけ」と、

自衛隊最前線部隊出身の

井筒高雄さんも指摘されています。






既に日米合同軍事演習もとっくに

そういうマニュアルで実践されてる。



▼「三上智恵の沖縄<辺野古・高江>撮影日記より

https://youtu.be/92Nxh-PEB28

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こうした事実を見ると、

「米軍が守ってくれる」というのは

自分に都合のいい願望、

というよりもはや幻想です。



この幻想から自由になることが

必要なのではないでしょうか。








■「アメリカに守ってもらってるから仕方ない」と思わなくてもいい!■






解決策は、

改憲よりもまず地位協定の改定だと、

「主権なき平和国家」著者の

伊勢崎賢治さんと布施祐仁さんは

主張されています。




何も日米同盟を今すぐ

破棄するとか、

独自核武装するとかではなくて、

地位協定を普通の同盟国並みの

運用にすることだ、と。





***シェアココから****




”地位協定をめぐる歴史を

冷静な目で見れば、

この問題でアメリカが譲歩する

度合いの大小は、必ずしも

アメリカの防衛にどれだけ

貢献しているかで決まって

いるわけではないことがわかります”



”ドイツでも、韓国でも、イラクでも、

地位協定に関してアメリカ側の譲歩を

引き出す最大の要因となったのは、

受け入れ国の「国民感情」です。”




***シェアココまで****




詳しくはぜひ著書をご参照ください!▼







準戦時下のイラクや韓国でさえ

運用改定を実現できているのです。


なぜ「平時」で「平和」なはずの

日本で出来ないのか?



それは「国民感情」、

私たちの意識次第です。




「仕方ない」と諦める必要はない。



戦略を練りましょう。


これからが勝負だと思うのです。







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byしゅくらむ



シュクラムは、アラビア語で「ありがとう」。
筆者が知る数少ないアラビア語です。
ココでの出会いと、ここまで読んで下さったことに、感謝をこめて。
シュックラム!



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by shuklm | 2018-09-24 06:01 | 沖縄・原発・震災など | Comments(0)