オトナの社会科・中東からの声を手掛かりに。

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そもそも「シビリアンコントロール」ってナニ?自衛官の家族の想いを知ってる??自衛隊に命令を下しているのは私たち







1■「またか」では済まされない■







南スーダンPKOの日報問題に続き、

「無い」とされてきたにもかかわらず

「発見」された、イラク派遣日報が、

航空幕僚監部にも残っていたことが判明。




しかし、ペーパーがあってもなくても、

自衛官が「最も戦場に近い場所」にいた

事実は消えるわけではありません。





▼2014.4.16 NHKクローズアップ現代

「イラク派遣10年の真実」より

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さらにゴラン高原PKOでも、

1996年、現場で自衛官が撃たれて負傷、

まさにそれが記された日報が焼却されて

いたことが明らかになっています。




▼ジャーナリスト志葉玲さんの記事より


自衛官が被弾、燃やされた日報―元自衛官が証言、隠蔽されたゴラン高原PKOの実態

志葉玲 | フリージャーナリスト(環境、人権、戦争と平和) 4/5(木) 11:01


”僕らは、小高い丘の上を見回っていたのですが、

数百メートル離れた草むらの中から狙撃があり、

ある自衛隊員が膝の近くを撃たれました”









どうしようもない怒りを感じます。




自衛隊員が命懸けで記した記録がないなんて、

万一の事態を防ぐために、

何を手掛かりにすればいいのか?


万一の事態が起こった時、

どうやって検証するのか??




いや、それがもう既に起こっていたからこそ、

「都合の悪い事実」を隠さなくては

ならなかったのではないですか?




それなのに、

隊員個人個人にウェアラブル端末を装着させて、

すべて隊員一個人の責任で終わり??





ペーパーがあるかないかの問題ではなく、

自衛隊員の命がかくも軽く扱われている。

到底、「またか」で済まされるものではありません。






しかし同時に、

防衛省だけに責任が押し付けられたり、

「軍部の暴走」とリベラル側が

批判するのも間違っていると思います。




なによりも、派遣した側の責任、

イラク戦争への関与が妥当だったのかの

検証が必要でしょう。





そして、何故「シビリアンコントロールが効かない」のか、

シビリアンコントロールってなんなのか?を

この際考える機会にしたいと思います。



シロウトなりに掘り下げてみました。








2■そもそもシビリアンコントロールって何だっけ?■






ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説



”国民に責任を負うとされる文民の文民の意思に軍隊の存在や活動を従わせる考え方,あるいはそのための制度。文民統制または文官統制と訳される。軍隊がクーデターにより公選の政治指導者から政権を奪取したり,現存政権の意思に反して戦争を開始したり拡大したりする危険を予防するため,軍隊の軍事行動を公選公務員の厳重な指揮下におこうとする考えが生まれた。”(中略)

”日本国憲法では「内閣総理大臣その他の国務大臣は,文民でなければならない」(66条2項) という規定を設けているため,防衛大臣の任には文官があたる。”




武器を持っている人間が政治的関与をすると

クーデターが起こってしまうため、

かつての226事件のような事態を防ぐため、

自衛隊法61条でも

自衛官の政治的行為も制限されていると

井筒高雄さん(元レンジャー隊)が指摘されています。





しかしそもそも自衛官は、法的には

「武官」「軍人」じゃない。

第二警察予備隊で、警察官の延長線上だから、

公務員で文民?なわけですよね。



だから、その上に立つ文民(政治家)の問題なわけで。





戦場へ行かない政治家の方が

威勢のいいことを言っていて、

「むしろ自衛隊こそ最も抑制的な存在」と、

元防衛官僚の栁澤協二さんも指摘されています。

(井筒高雄さん著「安保法制の落とし穴」2015年発行より)





しかしそうした状況は、いままで

私たちは知ることはほとんどできませんでした。







3■自衛官の家族の気持ちを知っていますか?■







今回、ある自衛官のご家族の方は、

表にすることが難しい苦しい胸の内、

切なる願いを打ち明けて下さいました。





”国の命令=国民の負託となることを、

一番、知って頂けたらと思います。

自衛官に命を下す、それは

国民の皆さんであるということ。


だから、国民の皆様には、

権力が暴走しないように監視すること、

そして自衛官に理不尽な任務を

負わせることがないように、

「知る権利と責任がある」と言うことを

知って頂きたいと心から願っています”―――と。





もちろん、自衛官もご家族も人それぞれ。


国防を志して入隊する人もいれば、

災害救援をしたくて志望する人、

経済的理由から選択肢が無かった人、

様々な背景があるでしょう。



だとしても、それぞれが抱く思いを、

自衛官もご家族も関係者も、

吐露することが出来ない。


先に挙げた自衛隊法61条で

政治的発言が制限されていて、

さらに本人にもご家族にも箝口令が布かれているから。




そういう状況を背負って

黙々と職務に励む自衛隊員たちを、

災害救助の時だけ感謝したり、

一方的に祀り上げて神格化したり、

いいとこ取りするのはもうやめようといいたいのです。





自衛官に命令を下すのは私たち国民。


自衛官の命運を握っているのも私たち。




つまりシビリアンコントロールとは、

最終的には私たち国民がちゃんとその

「知る権利と義務」を果たせるのか、

ということにかかっているのだと思います。







4■妥当性の担保はどうやって?■







じゃあ、

国民が下す命令を妥当なものとしていく

ことは、どうすれば実現できるのか?




現役自衛官の父親の方や

「自衛官ホットライン」の方々を中心に

呼びかけられている取り組みを

ご紹介させていただきます。





自衛隊に防衛監察委員 (オンブズマン)制度導入を求める会

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**FBより抜粋シェア*****



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”南スーダンPKO部隊日報問題に端を発した防衛省問題の表面化は、防衛省内のシビリアンコントロールが機能していない危機的状況を暴露しました。


この問題は、国家の安全保障に関わる重要な情報が政府高官にすら正確に伝達がなされないままに、秘密保護法によって、その事実解明の道が事実上閉ざされてしまっているという深い憂慮を引き起こしました。


日本の安全保障根幹を担う重要情報を監査する権限が、国民の代表である国会でも阻まれている状況は看過できません。”(中略)


”このような危機感から、秘密保護法により著しく阻害されている行政チェック機能のアンバランスを是正し、国民が知る権利と自衛官のいのちを守るための強力な『国政調査権』発動を促すための法律の超党派議連による議員立法を通し、立法府にある議員が行政府の行動を厳しく監督するために身を挺して立ち向かってくださいという願いを込めて「自衛隊に防衛監察委員(オンブズマン)制度導入を求める超党派国会議員による立法願い」活動を開始しました。”



**シェアココまで*****





ドイツの取り組みなども紹介されつつ、

具体的な手段として目指されているのは、以下3点。



1)防衛監察委員(オンブズマン)制度 

(極めて強力な国政調査権付与組織)の創設


2)防衛省内部改革(防衛監察本部の機能強化)


3)国会の監督監査機能の活性化





こうした地道な取り組みを

現実化していくことが、

今後生命線になっていくのではないかと

思います。







5■日報問題は、交戦権の問題では??■






最後に付け加えるならば、

ココから先は個人的な視点ですが、

日報問題の根底には、

交戦権の問題が横たわっていると思うんです。





そもそも、なんでそんなにしてまで

隠さなくてはならなかったのか??




ざっくり図式的に言うと、



「自衛隊は軍隊じゃない」

   ↓↓

   ↓↓だから

   ↓↓

9条に抵触してはいけない

   ↓↓

   ↓↓だから

   ↓↓

戦闘はなかったことにしなくちゃいけない

というねじれた構造が、ずっと

存在してきたからではないでしょうか??



自衛隊は軍隊じゃない。

憲法で交戦権を認めていないので、

交戦できない。


「戦力不保持」「武力行使しない」

と掲げる憲法をそのまま遵守するなら、

自衛隊という存在はなんなのか?


この矛盾に、私たち国民が

ちんと向き合わないと、

現場の自衛官がこれからもずっと、

すべて負わされ続けてしまう

のではないでしょうか?




シビリアンコントロールよりも

憲法との整合性が優先され、

自衛官の命が憲法の条文のために

差し出されている構造に

なっているのではないでしょうか??




もはや一方的に

安倍政権や自民党を責めているだけじゃ

解決できないという現状から、

これ以上目を逸らせないところに

来ているのだと思います。



そういう意味で、

モリカケと一緒くたにして

安倍政権のせいだけにするのは

危険だと思っています。

その先を考えなくては。







6■手掛かりは、生身の声を共有することから■






戦後70年以上も棚ざらしにされてきた宿題を、

なんとかしなくては。





ただ、こういうことを書くと、

「アベ改憲を利する」とか

「相手の土俵に乗るな」とか

また批判をいただきそうですが。


私自身は、小学5年生で

「あたらしいけんぽうのはなし」の

前文と9条を読んで涙したガキでしたし、

今も9条の精神を活かしたいと願う者です。


それゆえに立憲的改憲に賛成なのですが、

改憲ありきで他の意見を封じるつもりはありません。




少なくとも、

「問題の場」を共有したいと思うのです。


それをどう受け止め考え行動するかは

人それぞれな訳ですから。





解決は途方もなく遠く思われますが、

こういう時ほど、原点に戻りたい。



生身の、生きた当事者の声に触れて、

お互いどういう世界を目指したいのか、

ということを考えていきたいのです。




それがどんなに困難な解だとしても、

ひとつずつ想いをシェアしながら、

手掛かりを一緒に探していきましょう。





***イベントのお知らせ******



こんな時だからこそ、

現場のリアルな声を聴く機会を企画しました!



429(祝)開催!!

ぶっちゃけtogethersプレゼンツ

「憲法記念日の前に知りたい!

元自衛官・井筒高雄さんぶっちゃけ生トーク!!」

@東京都世田谷区 深沢教会(オリンピック公園近く)



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詳細・続報を、今後このブログでも

お知らせさせていただきます。


しゅくらむも企画からかかわってます。

お会いできれば嬉しいです!!





**********






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byしゅくらむ



シュクラムは、アラビア語で「ありがとう」。
筆者が知る数少ないアラビア語です。
ココでの出会いと、ここまで読んで下さったことに、感謝をこめて。
シュックラム!



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by shuklm | 2018-04-07 23:59 | 「国際貢献」・PKO・自衛隊 | Comments(0)