オリンピックだからこそ観てほしい!普段私たちが知らない南北分断リアル;映画「JSA」
■ちょっと報道が一方的すぎるのでは??■
ここ数日、
北朝鮮特使から韓国大統領への
南北首脳会談の提案などをめぐって、
「北朝鮮の狙いが、米韓同盟の分断に
あるのは間違いありません」
(NHKニュース)などと
断定的に報道されている件。
「北の手玉に取られるな!」とか、
上から目線というか、ちょっとそれは
一方的すぎるんじゃないの??と
感じたので少し書きますと。
あのですね、そもそも
文在寅(ムン・ジェイン)大統領、
特殊部隊の出身ですよ?
北朝鮮要人暗殺とかを担う、
韓国最強部隊ですよ??
そのリアルな現場を知り抜いているからこそ、
難しいゲームであることを承知の上での、
あえての対話路線なんですよ。
それを教えてくれた韓国の兵役経験者の
友人が、「すごく心に響いた」と勧めて
くれたのが、この映画「JSA」です。
▼DVDジャケット裏面
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ぜひ一度観てほしい!
■コレが38度線のリアル!■
あらすじを少々。
北緯38度上、南北軍事共同警備区
JSA(JOINT SECURITY AREA)の
警備兵詰所で起こった、
韓国兵士による北朝鮮兵士射殺事件が題材。
その捜査というサスペンスの形を取りながら、
テーマはズバリ、「南北の分断」。
北朝鮮の兵士たちを
ひとりひとりの人間として描いて
深い共感を呼び、2000年公開当時
韓国の観客数・歴代興行収入記録を
塗り替えたというエポックな作品。
観てまず感じたのは、
いつ銃撃戦になるか
どんな偶発事で戦争になるかわからない
最前線のヒリヒリとした緊張感。
もし戦争が起これば、JSAは
「開戦3分以内に焼け野原、
警備兵は生存率ゼロ」。
ある時は突然非常事態が告げられ、
重火器と装甲車が出動し
照明弾と実弾が飛び交う。
辺りの平原に火を放てば、
地雷が次々と炸裂する。
普段私たちが報道で接する
ソウルやオリンピックやK−POPなど
とのあまりのギャップに、
眩暈すら覚えます。
10年単位で国境を警備している
北朝鮮のベテラン職業軍人に比して、
2年少しの徴兵期間後、また
元の生活に戻っていく韓国の若者たち。
韓国に暮らす人たちは、
私たちと同じように見える日常を
生きながら、同時に、
私達が知らない非日常を生きている。
その非日常の中でも、映画では
兵士たちは敵味方を超えて心を通わせ、
子供のようにじゃれあったりしながら
互いをかけがえのない存在として
見出していくのですが、
境界線越しに言葉を交わすことすら
重罪となる現状のために引き裂かれ、
心を通わせたが故についには
互いに殺し合わなくてはならない
あまりにも哀しい結末を迎えることになります。
映画自体はフィクションなのですが、
今もどこかで繰り返されているであろう
と思わせる慟哭のリアルさが、
胸に迫って来ます。
■すべてを理解することは困難だとしても■
公的には、軍は
「南北の兵士同士の友情などありえない」
という立場をとっているようですが。
そうだとしても、実際、
南北に別れ別れにされてしまった
1千万ともいわれる離散家族がいます。
日本の植民地支配終了と同時に、
東西陣営による占領と
代理戦争=朝鮮戦争で
分断が固定化されてしまうまで、
同じ歴史を共有してきた
誰かの親族であり、
誰かの友人知人でもあるわけです。
いったい誰がわざわざ再び
殺しあいたいと望むでしょうか?
韓国があらゆる機会をとらえて
対話や融和を求めるのは、
至極当然のことだと思うのです。
ましてや、自分たちが望んだわけ
ではない分断であればなおのこと。
もちろん、映画一本観ただけでわかる
ことなど限られていますが。
少なくとも、普段私たちが
一面的にしか見れていないことには
自覚的でいたい。
その身体感覚を補う手段として、
おススメします。
▶︎▶︎「南北融和を阻んでいるのは?」に続きます
歴史的南北会談。韓国の友人たちの願い・分断を解決する最後の1ピースとは??
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何度も危機を経験してきた韓国。兵役経験者に聞いてみた・Part1;北朝鮮の隣で暮らし続けるということ。
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