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コレが海外派兵リアル!死亡区分は事故死・病死のみ、「紛争死」は保険適用外。元自衛官が語る@VFPジャパン設立総会レポpart3






知ってるつもりで知らなかった海外派兵の実態。


戦死を想定されずに、

最前線へ送られる自衛官たち。





「有事」には最前線に立つ

普通科連隊(現レンジャー部隊)出身の

井筒高雄さんが語った、

「自衛隊をめぐるリアル」。



重要な指摘満載だったのですが、

今回は海外派兵について絞って

再構成してお届けします。




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▲南スーダンPKOで戦死した中国兵の現地葬儀。

棺にかけられているのは、

左奥が国連旗、右手前が中国国旗






◆◆◆井筒さんが代表を務めるVFPジャパン

(平和を求める元自衛官と市民の会)

設立総会にての講演より◆◆◆


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去年7月、南スーダンの首都ジュバであった

戦闘では、中国の歩兵部隊2名が戦死しました。




今後、こういったことが自衛隊員にも起こりうる。






しかし自衛隊の場合、「戦死」扱いになりません。

「戦闘」ではなく「衝突」なので。



そもそも「戦死」を想定していないんです。


「戦争死」にしたら、戦争で

憲法と直結してしまうから。






南スーダン派遣隊の死亡区分規定にあったのは、

「事故死」と「病死」の2種類だけです。






それから、「防衛省職員団体生命保険」

というのがあるんですが、

任意という名の強制なのに、

「戦争死」と「紛争死」は除外されています。

保険が下りない。





さらに、「PKO保険」という民間保険があります。



国の命令で任務で行くのに、

なぜ保険を自分で掛けなくてはならないのか?



死亡時の最高額は1億円ですが、

いくらもらえるか、

「死んでみないとわからない」

のが現実です。








■拒否できないことも知らされず入隊■






自衛官は皆、入隊時に服務規定に宣誓します。



原則的に、依願的退職は認めてもらえない。

労働基準法も、除外規定になっています。




そして安保法制によって変わったのは、

海外派遣時のペナルティです。


命令拒否をすると禁固刑になります。





これらは入隊時には知らされていません。


災害派遣や人助けをしたいと入隊したら、

そういう現実が待っている。





しかも誰が最前線に行くのかというと、

死亡時のコストが安い人達、つまり

入隊して4年以内の若い人たちです。








■なかったことにされているPTSD。家族も苦しんでいる■



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去年7月の南スーダン戦死者が出た戦闘で、

その惨劇を見て20名がPTSDに罹ったと、

日報報告にあがっている。

菅官房長官はそんなことはないと言っていますが。




戦闘任務、死傷者が出る現場、

砲弾が飛んでくる現場では、

PTSDに罹る可能性が高いので

きちんとしたケアが必要だと指摘されています。




すでに2004年の防衛省報告でも、

イラク戦争後の戦闘任務の検証事項が

まとめられてる。 





PTSDの行きつく先が自殺なわけですが、

イラクとアフガンに限定しても58名。



その裏に、PTSD傾向になる人が2,000人前後、

その手前の鬱や不安定障害になる人が約9,000人。




海外派遣すれば、部隊の1割から2割が

必ず心の障害を持つことがわかっています。







そして、注目されていないんですが、

帰ってきた自衛官の家庭内でも

PTSDを発症しているというデータがあります。




例えば、帰ってきたお父さんが、

ちょっとした物音で怒り出す。


あるいは、花火の音を聞いた瞬間

「あっ」と叫び声をあげる



そういう中で家族もどうしていいかわからず

心を病んでしまうという事例も報告されています。





しかし家族にもかん口令が敷かれていて、

今まで表に現れてこなかった。








■いまこそ自衛隊リアルの共有を■ 






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自衛官は、自衛隊法61条で

政治的行為を制限されています。



なぜ政治的発言してはいけないかというと、

武器を持っている人達が政治的関与すると、

クーデターが起こってしまうからです。




ですから、今回、河野統合幕僚長が

「憲法に明記されるなら有難い」

と発言したのは、大問題です。


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しかし政府は、「一個人の発言」としてなら

政治的行為の制限に当たらないと、

わざわざ閣議決定しています。




そうであれば、これからは、

OBだけでなく現役の方も、

「一自衛官として」どんどん堂々と

発言してほしいと思います。



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自衛官は入隊時に、

「事に及んでは、危険を顧みず、

身をもって責務の完遂に務める」

という服務の宣誓を行っています。



問題は、それが国民の負託に応えるものであるのか?

ということです。





それは、災害派遣などは別として、

安保法制に限定していえば、

国民の負託に応えるものではないと私は思います。


9条の下で、どこまで出来て

どこまですべきでないのか、

是々非々の議論をすべきだと思います。






◆◆◆




▼講演はすべて公認動画で視聴可能です!

<ベテランズ・フォー・ピース・ジャパン設立記念シンポジウム>

https://youtu.be/R80vKczYwlc

https://www.youtube.com/watch?v=R80vKczYwlc&feature=youtu.be


Facebook: ベテランズフォー ピース ジャパン (VFP ジャパン)- Veterans For Peace JAPAN

公式サイト; http://vfpjp.org/








■個人的感想・いまこそ自衛隊のミッション議論の時■






お話を伺っていて改めて感じたのは、

現場の自衛官に矛盾がすべて押し付けられている

物凄いねじれときしみでした。



たとえ戦闘で死亡しても、

精神に深い傷を負っても、

なかったことにされてしまう。



公務なのに!!



憲法にぶつからないようにするために、

「戦闘現場でないところ」を選んで送り込むという、

訳のわからないことになっている。





じゃあそもそもなんのための海外派兵なのか??




南スーダン派遣は民主党政権時代なので、

自民党のせいだけではない。





これは個人的意見ですが、

一つだけ確実なのは、

彼らに負託するに足るミッションを

私たちは決めてこなかったということ。




自衛官が「危険を顧みず、身をもって

責務の完遂に務める」べきミッションとはなんなのか?




井筒さんも指摘されていた

9条の下で、どこまで出来て

どこまですべきでないのか」、

「国民の負託に応えるものであるのか」

について、議論はまだまだ端緒についたばかり。





いまようやく私たちは、自衛官の等身大

リアルに触れる機会を得ました。




ここを始まりにして、

お互いに向き合い、

議論に取り組んでいく時なのだと思います。





このブログでも今までずっと取り上げてきたことですが、

今後の改憲論議や国民投票もにらんで、

さらに掘り下げていきたいと思います。



【関連情報】

BuzzFeed記事

自衛隊員、海外派遣でPTSD傾向、自殺も 南スーダンでは「深い傷」 メンタルケアの重要性

https://www.buzzfeed.com/kotahatachi/jsdf-ptsd?utm_term=.lnNeM9o96W#.omW3AX4XQv>


「海外派遣自衛官と家族の健康を考える会」

https://kaigaihakensdf.wixsite.com/health

ツイッター

https://twitter.com/kaigaihaken_sdf




【当ブログ内関連記事】


知ってた??自衛官が毎年2個小隊分ずつ自殺し、アメリカでは帰還兵が毎日平均23人自死している。戦争のリアルとコストを問うVFPジャパン、設立総会&記念講演へ!!▼

http://syuklm.exblog.jp/26910093/


コレが戦場PTSDのリアル!それは人生をどう変えてしまうのか?アメリカ兵PTSDケアのスペシャリストが指摘!@VFPジャパン設立総会レポpart2▼

http://syuklm.exblog.jp/26940290/


70年越しの宿題・その2。「自衛隊は軍隊じゃない」という理屈が、自衛隊員を危険に晒す▼

http://syuklm.exblog.jp/24931440/





byしゅくらむ


シュクラムは、アラビア語で「ありがとう」。
筆者が知る数少ないアラビア語です。
ココでの出会いと、ここまで読んで下さったことに、感謝をこめて。
シュックラム!



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by shuklm | 2017-06-26 20:31 | 「国際貢献」・PKO・自衛隊 | Comments(0)