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オトナの社会科・中東からの声を手掛かりに。

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「北朝鮮危機」に考える国防part2・現実を読み解くための軍事リアル・はじめの一歩:ざっくり空母の歴史と現状




ミリタリーオタクでもないのに、

なんでこんなこと書けるのかと言いますと。


以前、神奈川の米軍基地近くで

生活して、米軍がガチで

戦争する時にどんな準備するのか、

間近で観てきたからです。




そこから言わせていただくと、

「即戦争」は現実的じゃないです。

とりあえず今現在は。





日米合同軍事演習は例年通りの内容だし、

北朝鮮の抗議も毎年のこと。



だけど今回オオゴトになってるのは、

北朝鮮のギリギリ瀬戸際外交に、

トランプ大統領という

「世界最大の変数」がかけあわさったことで、

俄然チキンレースの様相になってしまったこと。





だから、いま最大の危機管理は、

「偶発的事態」を防ぐことのはず。





それに対して日本がすることが、

自衛隊で米艦防護?


連休中は、閣僚の半数が

外遊で日本不在なのに???




なんだかあまりにもチグハグすぎる。



リアルな安全保障ってナンダ???





こういう時だからこそ、

ひとりひとりが判断する材料を

増やしていくために、

一個一個確認していきたいと思います。





自分が学んだことを還元することで、

そのお手伝いができればと願って書きます。








1■ざっくり空母の歴史でわかる、戦争形態の変化と現状■





物っ凄く大づかみで書きますと。





◆巨大軍艦の時代◆

第1次大戦後、戦艦大和のような

巨大な戦艦にドデカい砲台並べて

より遠くを攻撃する「大艦巨砲主義」を

採っていた日本は、次第に時代遅れに。


制空権を握られると、ただのデカい標的。

空母を飛び立った戦闘機からの爆撃を避けられず、

当時世界最大級で最強のはずの戦艦大和も武蔵も、

なす術なく轟沈されたのでした。





◆空母+爆撃機の時代◆



爆撃機が戦艦のオマケでなく、攻撃力のメインに。


第2次大戦末期、

日本も空母建造を本格化させるも、

空母同士の激突となった重要な海戦を落とし、

敗色濃厚に。






◆冷戦下、核抑止力の時代◆



米ソの核兵器開発競争の中、

「通常兵器」である空母は一時下火に。



しかし1950年、

突然の朝鮮戦争勃発で、米軍空母が出動。


即時展開できる空母の利点が

再度注目されることに。



当時世界最大かつ

世界初の原子力空母エンタープライズは

1968年、長崎県佐世保に寄港し、

そこからベトナムへ出撃しました。





◆冷戦後、アメリカ最強空母の時代◆



ソ連が崩壊し、

空母を3隻以上保有するのは

世界でアメリカだけに。



現在の全世界の空母保有台数は


アメリカ🇺🇸 10


インド🇮🇳 2


ロシア🇷🇺 1

フランス🇫🇷 1

イタリア🇮🇹 1

中国🇨🇳等 1


となっています。


まさに一強。




また、米軍の全ての空母が

原子力を動力源とした原子力空母となり、

地球の裏側まで一度も燃料補給せずに航行可能に。




ちなみに、

独自空母シャルル・ド・ゴールを

開発したフランスは、

1966年にNATOを脱退しています。


空母打撃群(独自の制空権)持つことが

1国の防衛力に匹敵する」と

言われるゆえんです。








2■押さえておきたい現状:いま始まったわけじゃない空母常駐の意味■





4月からの「北朝鮮危機」報道の中で、

横須賀に停泊中の空母ロナルド・レーガンを見て、

「なんでこんな時期に

こんなところにいるんですか?!」と

驚いた著名人がいましたが、

いやいや、そもそもいつもいるんですってば。




横須賀が空母の「事実上の母港」となったのは、

ベトナム戦争中の1973年。




最初は3年くらいの「一時的な寄港」の予定が、

結局40年以上にわたって常駐しています。




現在、米軍が保有する空母10隻のうち、

アメリカ本土を母港としているのは4隻。


あとはすべてアジア太平洋地域

(ハワイに5隻、横須賀に1隻)常駐していて、

しかも、アメリカ本土外で空母打撃群を

擁しているのは横須賀だけです。




朝鮮戦争で空母にやられた

歴史を持つ北朝鮮から見れば、

間近でそういう部隊がずーーっと

戦力を保持していたら、

常時「日米一体の」戦時体制が

終わっていないと実感する状況が

続いているということになります。




そもそもこのメッセージ性を、

私たちが押さえておく必要はあるでしょう。







このタイミングで安倍首相は、

2020年までに改憲」を掲げました。



「厳しさを増す安全保障」も

理由にしていますが、

日米軍事一体化が招いている

事態なのではないでしょうか?


(このことはまた別途書きたいと思います)




追伸

憲法記念日に、元自衛官・泥憲和さんの

訃報に遭い、言葉を失いました。

現場の実感に基づいた発言や行動の

ひとつひとつに力をいただいていました。

心からのご冥福をお祈りいたします。




【続きます】



【当ブログ内関連記事】


「北朝鮮危機」に考える国防part1・「空母出動」ってどれくらいヤバイの?そもそも空母ってナニ??▼

http://syuklm.exblog.jp/26825257/


世界に広がった反戦米兵活動は、横須賀停泊中の空母ミッドウエイから始まった…

http://syuklm.exblog.jp/26440510/


国防・北朝鮮・安保などはコチラのカテゴリにまとめました▼

安保法・安全保障・日米関係/戦争と平和




byしゅくらむ


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by shuklm | 2017-05-03 19:55 | 安保法・安全保障・日米関係/戦争と平和