オトナの社会科・中東からの声を手掛かりに。

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未来を書き換えるカギを探る必読書! 内山弁護士の「未来ダイアリー・もしも、自民党改憲草案が実現したら?」






1年前の2015919日。


安保法が参院強行採決されたあの日、

国会前で鳴り響いたコールように。



未来は私達ひとりひとりの手の中にある。




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■■■■■



昨年2015715日、

安保関連法が最初に衆議院で可決された直後、

「諦めないで!まだ方法はあります」と

法的根拠に基づく具体的提案を示して、

30万人以上に読まれ、

多くの人を勇気づけた投稿があった。



それを発信したのが「あすわか」=

「明日の自由を守る若手弁護士の会」だ。



私自身も、その投稿に鼓舞されて

国会前に足を運んだひとりだ。




結果的に選挙で与党が3分の2議席を占め、

国民投票が現実の政治日程に上ってきている今、

具体的な分析と、これからの新しい展望を

探ろうとする企画本だ。




ライトノベル仕立てでわかりやすく、

一気に読了した。


初めての人も、「安保反対派」の人も、

ぜひ読んでほしいと思う。







小説の舞台は、国民投票が実施され、

自民党改憲草案(以下ジミケン)に

憲法が改訂された後の、近未来。




主人公の大学生・憲司は、

卒論の資料探しに行った古本屋で、

憲法関連の本を買っただけで、

「内乱予備罪」の疑いで公安警察に

しょっぴかれそうになるという、

なにやら不穏な場面から始まる。



「改定前の憲法(日本国憲法)を

学ぶことは危険思想に当たる」というのだ。



危ういところを、バリバリやり手の

女性弁護士・桜野杏に救われ、

杏の法律事務所助手の篠田真琴に

憲法への思いをアツく語られ、

なぜこんな息苦しい社会になっているのか

解き明かされていく。




草食系ヘタレ男子の主人公と、

主人公がほのかな思いを寄せる

「ギャップ萌え」のヒロイン。


気楽に読み進めることが出来る。






そして、とにかくリアルで読みどころなのは、

国民投票のくだりだ。




「国民投票は難しくてよくわからなかったので、

真っ白のまま投票しちゃいました」という憲司に、

篠田は力説する。





**以下抜粋***




「問題なのは、投票率が低くても、

たとえ50%を割っていても

国民投票が無効にはならない

ということなんです!



白票はただの無効票なんだから、

憲司さんの白票は、

過半数の分母に入ってないんですからね」



「そ、そうなの?」



「そうよ。白票は分母を小さくするので、

むしろ憲法改正を後押しするようなものね」と

杏が篠田の後を継いだ。



「じゃあ、僕は、このおかしな憲法改正を

後押ししちゃってたってことなんですか…」



「そうなんです。しかも、

最低投票率が決められていないから、

どんなに投票率が低くても、

有効投票の中で

改憲賛成票が半数を超えれば

憲法は改正されちゃうんです。


無効にならないんです。



たとえ、この前の国民投票のように

50%の投票率でもですよ」




篠田の説明に、憲司は

背筋がスーッと冷たくなるのを感じた。

知らなかったとはいえ、

なんと恐ろしい。




「投票率50%だと、

国民の約20%が賛成するだけで

改正されちゃんですよ!」。





****





「有権者全員の過半数が賛成したら憲法改正」ではない!

「投票した人の過半数が賛成したら改正」できてしまう。



しかも最低投票率が決まってないから、

投票する人がどんなに少なくても

成立してしまう…。




「ヤバいとは思っていたが、

まさかそこまでとは」。



読みながら、私自身も

スーッと血が引いた。





ジミケンの問題点を長々と文章で説明するよりも、

10倍わかりやすい!! 

小説にした効果は絶大だ。


(巻末に日本国憲法とジミケン案の対照表も

付いているので資料もバッチリだ)







■打開のカギはどこに?





じゃあ、このヤバい事態に対して

どうすればいいのか??


本書のメッセージは明確だ。




「右でも左でもない人たち」に

アプローチすべし、だ。





与党支持層の絶対的得票率は

常に17%前後と安定していて、

選挙で自民が大敗した時も

大勝した時もほぼ変わらなかった。



与党支持層が考えを変えることはないので、

野党が割れていれば、

与党支持層がいつも通りの

投票行動をするだけで勝ててしまう。





だから、

「与党や与党の支持者を

どんなに激しく批判しても無意味だったの。


リベラル派がすべきだったのは、

右でも左でもない、

中間の無党派層に共感してもらえる、

届く言葉を発することだったわけよ」


という杏の指摘は、

全くその通りだと思う。




保守2割、リベラル2割だとすると、

「真ん中6割くらいの無党派層」に、

決まりきった「正しい」結論や

怒りをぶつけるのでなく、

自分自身の葛藤や体験から

どれくらい語りかけられるか、

それにかかっている。




展望はここにあるよ、と

作者は示してくれている。







■人の想いが現実を変える




この小説も、最終的には、

真剣に現実に向き合う人たちの想いや、

まっとうな現場感覚を持った人間の

ギリギリの判断が

事態を変えるという筋立てになっている。




現実は「わかりやすい勝利」なんて

そうそうあるわけでないし、

全く楽観できる状況ではないが、


今は充分でないとしても、

現実を変えていく力は、

明日からまた創っていけばいい。



それが「明日の自由を守る若手弁護士の会」からの

最大の激励メッセージなのではないだろうか。





それを受け取った私たちが、

今まで届かなかった人たちと一緒に、

「未来ダイアリー」に描かれたような

暗い将来を書き換えていこう。






未来は私達の手の中にあるのだから。







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※内容修正し、個人的選挙総括については別記事にさせていただきます(2016.9.22





【当ブログ内関連記事】

【時事】安保法成立・国会前で、何かが生まれるのを見た。

http://syuklm.exblog.jp/24913133/





byしゅくらむ


シュクラムは、アラビア語で「ありがとう」。
筆者が知る数少ないアラビア語です。
ココでの出会いと、ここまで読んで下さったことに、感謝をこめて。
シュックラム!



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by shuklm | 2016-09-18 21:45 | 憲法・国民投票・天皇制など | Comments(0)