オトナの社会科・中東からの声を手掛かりに。

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今日必要な問いは、ひとつだけ。「テロとの戦い」で世界は平和になりましたか?





■「オバマの戦争」でテロはなくせるか?




2001年の911「同時多発テロ」。


ブッシュ政権が掲げた「テロとの戦い」

開始から15年。


いまだ「真犯人」は明らかでないまま、

「テロ」は収まるどころか、

形を変えて世界中へ拡散しています。




現在の「オバマの戦争」は、

米兵の戦死者を減らすために、

本国から遠隔操作でピンポイントで

ターゲットを暗殺する。


殺された「テロリスト」側が

復讐しようとしても、

相手は現場にいない。



そうしたら結局、

遠隔操作している「本国」本体を

やるしかなくなってしまうのではないか。



オバマの戦争では、

テロを終わらせることは出来ないと思います。





希望はどこにあるのか。




今日シェアしたいのは、

米国在住のイスラム教徒で平和運動家の

ザック・エブラヒムさん。

そして中村哲さんです。




▼ザック・エブラヒムさん
2015年2月18日 NHKニュース「おはよう日本」より
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■「テロリストの息子」と呼ばれ排除された少年を変えたのは?




「テロリストの息子に生まれて―平和への道を選んだ軌跡」

動画、完全公開されています。

まだの方は是非ご覧ください!!





”教義をすりこまれ、憎むことを

教えられて育てられたら、

もうそれとは異なる道を

選ぶことはできないのでしょうか?



ザック・エブラヒムの父親が

1993年の世界貿易センタービル爆破事件に手を染めた時、

エブラヒムはまだ7歳でした。”



日本語字幕付き動画はコチラ!!↓↓

https://www.ted.com/talks/zak_ebrahim_i_am_the_son_of_a_terrorist_here_s_how_i_chose_peace?language=ja




英語版はコチラ↓↓






******以下、一部書き起こし******





私はペンシルバニア州

ピッツバーグで、1983年、

エジプト人技術者である父と、

小学校教諭で愛情深いアメリカ人の母のもとに生まれました。




しかし私が7歳のとき、父は私を

イスラム教のある一派に引き入れました。




父とその友人たちは、(1993226日)、

爆発物 約700キロを積んだバンを、

世界貿易センタービルのノース・タワーの

地下駐車場に停車し爆破させ、

6名の命を奪い、

千人以上の負傷者を出しました。


これが、私が尊敬し慕っていた人たちです。





19歳になる頃には、私はすでに

20回もの引っ越しを経験していました。

よくいじめの対象になりました。


素性は隠していましたが、

物静かでぽっちゃりした新顔というだけで、

十分な攻撃材料だったのです。



ですから私は、たいてい

家で本を読んだり、テレビを見たり、

ビデオゲームをしたりして過ごしました。



私は、恣意的な価値基準で

人を判断するよう、育てられてきました。

人種や宗教などで、人を見ていたのです。





では 何が私を 変えたのでしょう?




2000年、大学準備プログラムで、

私はフィラデルフィアで

全国学生議会に参加しました。


私のグループは、

若者の暴力対策を柱に据えており、

人生のほとんどをいじめられて過ごした私は、

特に熱心に取り組みました。



グループには、様々な背景の人たちが

集まっていました。



会議も終盤のある日、

仲良くなった人たちの中に、

ユダヤ人の子がいると知りました。


私たちは数日間、何も知らず、

共に過ごしていたのです。




イスラム教徒とユダヤ教徒は、

最初から憎み合う運命にはないのです。




それまでユダヤ人の友だちが

いなかった私は、

この障害を乗り越えられたことを

素直に誇りに思いました。







つぎに私を大きく変えたのは、

「ブッシュガーデン」という遊園地で

ひと夏、働いたときです。



それまでの人生では、

同性愛は罪であると教えられてきました 。


ゲイのパフォーマーと仕事をする

機会に恵まれ、すぐに彼らの多くが、

誰よりも優しく、相手を色眼鏡で見ない

人たちだとわかりました。


いじめられっ子だった私は、

他人の痛みに対して

ある種の共感を覚えたものですが、

私が望む以上にとにかく優しい人たちと向き合うのは、

とても不思議な感覚でした。



ゲイであることの辛さは想像もつきませんが、

自分にはどうしようもないことで判断される辛さは、

身をもって知っています。





ある日 、母は、

生涯を教条主義に染めた人に

特有の疲れ果てた目で

私を見やると、こう言ったのです。



「他人を忌み嫌うことに疲れたわ」。



その瞬間 私は、

憎しみを持ち続けることが、

どれだけエネルギーを

無駄に消耗するのか悟りました。







なぜ私はこんな告白をして、

自らを危険にさらすのでしょう?



簡単なことです。



暴力を強制されている人が、

私の話を聞いて、

他にも良い方法があると

気付いてほしいと願っているからです。




私は、暴力的で偏狭な

イデオロギーにさらされてきましたが、

それに染まることはありませんでした。


その代わり私は、この経験を生かして、

テロに抗い、この偏見に抗うことを選んだのです。



それは、テロの犠牲者と、

その愛する人々のためであり、

彼らがテロによって強いられた―

激しい苦痛や喪失感のためでもありました。



テロの犠牲者の方々のために私は立ち上がり、

こうした非情な行為に断固反対し、

私の父の行いを非難します。




私は身をもって、

暴力は、宗教や人種に

最初からあるものではないと証明します。




息子だからといって、

父親のやり方に従う必要はありません。



私は、父ではないのですから。






*****一部書き起こしココまで******



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■テロや戦争に抗して




「テロリストの息子」と呼ばれ、

社会から排除されてきた少年を

根底から変え、テロや偏見に抗して

闘うことを決意させたのは、

生きた人間との具体的な関係でした。




「テロリスト」や「予備軍」を

排除しても、テロはなくならない。






あるいは、

「テロは戦争では解決しない」と

身をもって示し、

展望を切り開いてきた様々な取り組みの中で

忘れてはならないのが中村哲さんでしょう。





30年以上にわたって、パキスタン・アフガニスタン地域で

医療支援・農業支援に取り組んできた中村哲医師▼

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アフガンへの「報復戦争」に対し、


「武器や戦車では解決しない。

農業復活こそが、アフガン復興の礎だ」

という信念のもと、


「とにかく生きていてくれ。

病は後で治す」と、白衣を脱ぎ、

自らツルハシを握り重機を動かして

黙々と用水路を掘り続け、

15年がかりで、不毛の大地に

一面の緑野を蘇らせ、

人々の「平和な生活」を

確実に再建させています。





    ▼NHKEテレ 9月10日放送「武器ではなく命の水を」

      再放送は9月17日土曜 午前0時から!!

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■数値化されていない営為の中にこそ




世界中で数値化されていないこうした

地道な努力の積み重ねこそが、

むしろ新たな「テロ」の芽を

ひとつひとつ摘み、

希望に組み替えて防いできたのではないでしょうか。




「テロ」を完全になくすことは出来なかったとしても、

それを少しでも踏みとどまらせ

減らす可能性があるだとすれば、

こうした具体的に生存できる手段があることと、

生きた人間との信頼関係の中にこそ

あるのではないでしょうか。




希望はそこにある。

そのことを忘れない日にしたいと思います。









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「イスラム教徒は皆テロリストって思ってるの?」~9・11後のシリア人留学生の声から考える。↓

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「私はイスラム教徒。ハグしてくれますか?」パリの広場に立った男性。人々は…(動画シェア)

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13回目の911に寄せて。(ガザからの伝言2)

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「テロ」・IS・イスラム・宗教について

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byしゅくらむ


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筆者が知る数少ないアラビア語です。
ココでの出会いと、ここまで読んで下さったことに、感謝をこめて。
シュックラム!



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by shuklm | 2016-09-11 15:47 | 「テロ」・IS・イスラム・宗教について | Comments(0)