【シェア】自衛隊派遣議論のちゃぶ台をひっくり返す事態 ~知らぬ間に、PKOが完全に紛争当事者に。
「PKOは中立でなく、紛争当事者(攻撃対象)になる」と、国連自身が言い始めてた!
物凄く重要なご指摘なので、取り急ぎシェアさせていただきます。
まさに、今までの議論がちゃぶ台ごとひっくり返されるような事態に、すでにPKOは突入しているということです。
▼この本よりもさらに現場は過酷に
国際紛争解決のプロとしてシェラレオネ・アフガニスタンなどの紛争地で武装解除にあたり、現在はジャズトランぺッターとして活躍されている伊勢崎賢治さんのFacebookより
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4月11日付
安倍首相の私的諮問機関であった安保法制懇に対峙するために設立した「国民安保法制懇」http://kokumin-anpo.comは地道な活動を続けています。
日本の憲法:安全保障論議の歴史的な先輩方との協働は刺激的な知見を得るばかりです。先日の会合でも。
国連平和維持活動PKOなど国際平和・秩序維持活動への自衛隊派遣における「中立性」の維持について、日本の政局ではどういうやりとりがされてきたか。
「停戦合意以外の武装組織は国に準ずる組織”国準”ではない」→「だからそいつらを撃っても自衛隊の中立性は損なわれない」。
つまり、日本では、”誰が撃つ”より、”誰を撃つ”でコトが決まる…。
前回のお知らせで述べましたように、そもそもPKOに中立性はありません。
国連平和維持軍PKFが交戦した時点で、国連は国際紛争の当事者になり、戦時国際法上の合法的な攻撃対象になる、という考え方を当の国連がしてきたのです。
つまり、国連が中立なのは、平時の時だけです。つまり、”誰を”でなく、”誰がいつ”撃つかで、中立性が決定されるのです。
「後方支援」に加えて、議論の基盤を一度ガラガラポンしないと、前回お話ししたコンゴのPKOのように更に進化するPKOの現実に、自衛隊派遣論議がついてゆけません。
残りはジャズで!
イベント告知:
伊勢崎賢治(Tp)ジャズライブ (投げ銭ライブです!)
4月17日(金)午後8時半開演
於:阿佐ヶ谷Rock India,
with (p)田中利佳, (b)鈴木堅登, (Dr)坂本貴啓
03-5327-8286 阿佐谷北2-13-5 美波ビルB-1
アクセス:JR阿佐ヶ谷駅北口ロータリー荻窪側の不動産屋とカフェの間の路地を入ってすぐ右
捕捉シェア:4月5日付
国連平和維持活動(PKO)は、「6章半」、もしくは「敵のいない軍隊」と言われてきたように、国際法/国連憲章上の扱いに、元々、常に、ファジーさが付きまとってきました。
PKOの最も重要なコンポーネントである国連平和維持軍(PKF)にも、かつての僕のような非軍事要員と同じ”シビリアン”として外交特権を与えてきたのですから。
では、もし現場で自己防衛のために武力行使したら。
そこで、同じくシビリアンとして派遣される文民警察の火器使用と軍隊のそれは明確に分かれます。軍隊のそれには、戦時国際法が適応されるからです。
つまり、その時点で、PKFは、紛争の当事者になり、それに相対する敵から見ると、国際法上合法的な攻撃対象になるのです(これは国連法務局の見解です)。
ですから、そういう事態にならないように、歴代のPKOでは、まず、PKFをできるだけ大部隊にして”抑止力”で対処しようとしてきたのですが、それも虚しく、ご存知のように1994年のルワンダで”住民を見捨て”ました。
その教訓から「保護する責任」が生まれ、こんにちでは、どのPKOでも「住民の保護」は”あらゆる手”を使ってでも、ということになっています。
ですので、自動的に、PKFが紛争の当事者になる可能性は以前より格段に増えており、前回お話ししたように、国連コンゴ安定化ミッションでは「介入旅団」というミッションの存在そのものが「当事者」となるマンデートを付託されるものも現れました。
つまり、PKFは、もはや、「他国に戦争をやりにゆく」ものになっており、先進国の派兵のインセンティブは極端に低下しています。
ひと昔、この先進国のインセンティブ低下は「問題」として捉えられていましたが、現在のPKF司令部では、「前提」として捉えられているようです。
誰が派兵するか。
まず、周辺国です。
一昔前は、これも、「問題」として捉えられていました。
つまり、近いゆえの利害/既得利権が武力介入の中立性を損なうと。
でも、今では、既得利権があるからこそ”真剣に”、そして”長く”戦ってくれる、になっています。
それと、国連から払われる外貨が欲しい、もしくは軍政の悪いイメージの払拭が欲しい発展途上国。これは今も変わりません。
もうひとつ。昔は、紛争当事者国の旧宗主国がその歴史的な責任感から先進国でも派兵していましたが、今は、それもなくなっています。
「先進国として一番やるべきことはPKO資金の提供」とは、今回コンゴで会談したPKF副最高司令官(フランス)の言葉です。
「資金に加え、日本は、国連軍事監視団(軍人ですが非武装が鉄則)など”非戦闘”分野でやることが山ほどある」とは、PKF最高司令官(ブラジル)の言葉です。
今の日本の政局の議論、現場のリアリティとすごく乖離している気がします。
まあ、詳細はジャズで!
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2014年2月4日UP記事
哀悼…そして、「紛争地」で望まれている支援とは?:ジャーナリストやNGOは、「その場にいるだけで」人道支援になりうる。
http://syuklm.exblog.jp/24093955/
2014年2月15日UP記事
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http://syuklm.exblog.jp/24136507
シュクラムは、アラビア語で「ありがとう」。
筆者が知る数少ないアラビア語です。
ここでの出会いと、ここまで読んで下さったことに、感謝をこめて。
シュクラム!
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