オトナの社会科・中東からの声を手掛かりに。

syuklm.exblog.jp

シリア・「乗っ取られた」民主化の声。




シリア情勢について。

私の認識が誤っていた部分があったので、訂正させて下さい。




2015225UPした記事

【シリア人留学生の言葉2。イラク攻撃直前にきいた、「イラクと独裁者と中東の民主化」のこと。】

http://syuklm.exblog.jp/24177306/




その中で、私は以下のように書きました。



「友人が切望したシリア民主化を求める声は、

アサド政権による無差別攻撃で徹底的に弾圧されました。

やむにやまれず武器を取ったシリア人の抵抗も踏み潰そうとしています」。




この部分で私は、「アサド政権と反政府勢力」の内戦を、

「独裁者VS民主化勢力」という構図で捉えていました。


そしてその内戦の間隙に入り込んだIS

混乱に拍車をかけているという認識でした。




しかし、現在、アサド政権と戦っている反政府勢力は、

民主化を求めてデモなど参加した人たちだけではなく、

アルカイダなどの国外武装勢力が入り込んでいることがわかってきました。




重信メイさん著『「アラブの春」の正体 

―欧米とメディアに踊らされた民主化革命』

201210月発行・角川oneテーマ21新書)

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当初、シリアの民主化を求めて声を挙げた多くの人たちのはいま、


「腐敗の改善や自由を願ってきたのに、

いつのまにかアサド政権を倒すという目的に

すりかえられてしまった」と語っているそうです。




「いつの間にか、自分たちの運動が乗っ取られてしまった」、と。





今起こってしまっている内戦は、

シリアの人たちが望んでいることではない。




そしてその内戦を内戦を煽ったのが、

メディアと欧米によってつくられた

「独裁者アサドVS民主化勢力」という報道にあったという指摘をみて、

自分も同じ構図で捉えていたことに気づかされました。





だから、以下のように訂正させてください。




「友人が切望したシリア民主化を求める声は、

アサド政権による無差別攻撃で徹底的に弾圧されました。


そしてさらに、反政府勢力にアルカイダ等の国外勢力が入り込み、

民主化を願う人たちの意思に反して、

『アサド政権打倒』の武力抗争へ変質してしまっています」。







**以下、「第6章 メディアが伝えないシリアで内戦が激化する本当の事情」より抜粋**





「ハイジャック」されたデモ




”首都ダマスカスで話を聞かせてくれたスンニ派の人たちは、

デモの初期には参加していたそうです。


腐敗への抗議と、自由を求めて参加したのですが、

やがて参加しなくなったと言います。



「デモがメディアで報じられると、

アサド政権を倒すという目的にすり替えられていった」、


「デモが暴力的になると海外からの軍事的な介入を

招いてしまう危惧がある」、


「リビアやイラクのようにシリアが戦争に巻き込まれてしまう」


彼らはそう口を揃えて言っていました。


「自分たちの運動がハイジャックされたような気分だ」と。




では、彼らの思いを乗っ取って、

利用しようとしたのは誰だったのでしょうか。





”私はアサド政権に反対して、何度も獄中に入ったという

政治犯にもインタビューしました。

彼らはムスリム同胞団に属するスンニ派の保守的な人々でしたが、

いまの反対勢力の動きはおかしいと口々に言っていました。



彼らのなかには国会議員を務めたことのある人もいて、

アサド政権下でも発言の機会はあったと言います。

それが、一気に内戦状態への突き進んでしまったのは

解せないというわけです。”



つまり、彼らが疑っているのが国外の勢力が反対勢力に

関与しているのではないか、ということです。


シリア国民のことを考えたうえで反対運動を起こしているようには見えないと感じているのです。”





******





私自身はシリア情勢をずっと定点ウォッチしてきたわけではないので、

もう少し俯瞰して全体を把握したいと思って関連書籍に当たっていたところ、

その中でも、私が知りたかったシリア現地の人達の声を拾い上げて、

フェアな視点でクリアーに解き明かしていると感じたのが、

この本でした。




”「アラブの春」の本質は、メディア戦争だった”


(アラブの春=民主化運動の発端となった)

チュニジアやエジプトでは主役が市民でしたが、

リビアやシリアではメディアが偏った報道をすることで、

内戦をあおりたてた”――という分析を読んで、

自分も知らないうちにバイアスがかかった見方を

していたのでのではないかと考え込まされました。





この本については、今後、中東問題を考える時に、

またご紹介していきたいと思います。






byしゅくらむ


シュクラム」はアラビア語で「ありがとう」。

筆者が知数少ないアラビア語です。


ここでの出会いと、ここまで読んで下さったことに感謝をこめて。

シュクラム!




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by shuklm | 2015-03-14 23:04 | シリア人の友人のこと・難民・シリア関係 | Comments(0)