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オトナの社会科・中東からの声を手掛かりに。

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イスラエルにて。滞在最後の夜、ついに実現した兵役拒否者との対話。






日本へ帰る前夜、最後の最後に、

念願だったイスラエルの兵役拒否者と

会えることになり、

ツアーから離れて一人、

待ち合わせ場所である

エルサレム新市街へ向かいました。









2002612日の夜。





同じエルサレムでも新市街は、

歴史的建造物や石畳が残る

旧市街とは別世界





一歩足を踏み入れるとそこには、

お洒落な店が軒を連ね、

飲食店街には、コシェル(ユダヤ教の戒律に沿った料理)

の店だけでなく、

中近東料理、イタリア、モロッコ、

中華、和風、韓国料理まで、

各国料理のレストラン

カフェやバーやファーストフード店が

所狭しと立ち並んでいました。





その一角にあるスペイン料理の

庶民的なお店で、

眼鏡をかけた、背の高い

ラテン系の顔立ちの男性が

待っていてくれました。






彼の名前もスペイン系で、

「イスラエル人」というのは

世界中からやってきた人たちなんだなあと、

改めて感じました。






私が個人的に話を聞くことが

できたその兵役拒否者は、

イスラエル人とパレスチナ人が

一緒に運営するNGOに勤務している、

エルサレム在住の30代の男性。




英語もロクに話せず、

辞書を引き引き質問する私に、

平易な言葉で答えてくれました。






「『テロ』と報復のエスカレーション

を断ち切るためには、

どうしたらよいと思いますか?」

という私の問いに対して、

彼は明快に答えました。





「イスラエルが占領をやめることだ」。





「たった400人(当時)の入植者を守るために、

何万人ものイスラエル軍が配備される。


占領があるから、

パレスチナ人の憎しみが募る。


その悪循環を断つことだ」――と。






パレスチナ・イスラエル間の1993年の

「オスロ和平合意」については、

意外にも彼は否定的でした。



それは、「合意事項の中で、占領について

何一つ解決していないからだ」。





21歳で兵役拒否を決意した理由について、

「永久に戦争を続けることはできない

と考えたからだ」と述べていましたが、

その判断は、

「地球の資源を無限に使い続けることは

できない」という事実と同じくらい、

おそろしく現実的だと感じました。





とはいえ、

イスラエル社会の中で

まっとうな判断を下して実行するのは、

想像を絶する困難を伴うであろうとも思われました。





2001年9月、イスラエルの高校生ら

10代の若者62人が連名で

シャロン首相(当時)あてに

兵役拒否の手紙を送ったことが

大きく報道され、

彼らに続いて兵役を拒否する者が

増える一方で、

イスラエル社会での風当たりは

厳しさを増し、最近は

大手の新聞もテレビ番組も

彼らについては全く報道しなくなり、

黙殺されているとのこと。


また、海外メディアだけに

大きく取り上げられたため、

多くの拒否者はひどく

ナーバスになっていて、

外国人は皆インタビュアーだと

思って会いたがらない

という話も聞きました。






そういう孤立した状況の中で、

それでも決意を貫けたのは、

何故だったのか。

それは、両親のサポートが大きかった

と彼は語っていました。





「支えてくれる人たちがいたから、

自分の(兵役拒否という)意思を失わずに

続けることが出来たんだ」。






実際に兵役拒否者と会って

話をしてみて実感したのは、

「強固な信念を持った特別な人たち」ではないということ。



少数派の彼らが踏ん張れるかどうかは、

誰かの支えがあるかどうかに

大きくかかっている、

ということでした。





逆風の中だからこそ、

彼らの良心の声を

かき消させてはならないと

改めて強く思いました。





たどたどしい英語で、

「会えてよかった。本当に有難う。

あなたたちのことを支持している人が

日本にもいることを、

覚えていてほしい」と伝え、

握手を交わして別れました。







byしゅくらむ


シュクラムは、アラビア語で「ありがとう」。
筆者が知る数少ないアラビア語です。
ココでの出会いと、ここまで読んで下さったことに、感謝をこめて。
シュックラム!



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by shuklm | 2014-12-31 10:02 | イスラエル 現地レポなど | Comments(0)