人気ブログランキング | 話題のタグを見る

オトナの社会科・中東からの声を手掛かりに。

syuklm.exblog.jp

エルサレムにて2・異彩を放っていた、イスラエル国旗を掲げた少女。




200268日、夕方。エルサレム、首相官邸前。

占領に反対する集会にて。





プラカードやメッセージボードを持った参加者が多い中、

たったひとり、イスラエル国旗を掲げた女の子の姿がありました。




まだ幼さの残るあどけない顔に、

ソバカスが可愛らしい10代の少女


金髪をピンクに染めた、色の白い小柄な彼女

身の丈ほどもある大きなイスラエル国旗を

両手で捧げ持って立つ姿は、

その場では、かなり異彩を放っていました。





彼女がどんな思いで参加してきたのか知りたくて、

おぼつかない英語で話しかけてみました。




「なぜイスラエル国旗を?」ときくと、


「私はイスラエルが好きだから。

だから間違ったことはしてほしくない。

 私は正しいことをしたい。

占領は正しくない」と。




16歳だという彼女は、何度も

Do the right thing」(正しいことをせよ)

という語を発していました。






パレスチナ人から見れば、

イスラエル国旗を目にしただけで、

「ふざけんな」

「パレスチナ人の屍の上に乗って、何を言ってる?!」

と憤りを感じるかもしれない。



パレスチナ自治区の現実を見てきたので、

それもわかっていました。




「なぜここにいるんだ?」という

非難の視線もありました。


私も、複雑な気持ちでしたが、

でも、追い返すべきではないと感じました。




「自分の国を愛するからこそ、

愛国心から、占領(戦争)に反対する」

というのも、アリだと思ったのです。





歓迎されないことが予想される中で、

彼女がたった一人で参加して来たのは、

結構凄いことだと思いました。





「あなたの勇気は、素晴らしいと思う」と伝えると、

彼女は突然、頬を紅潮させて、

「本当に? 嬉しい! 今日染めてきたの!」

と飛び跳ねました。




そのあまりの喜びっぷりに、

「アレ? 何か、うまく通じてない??」と慌てて考えてみると、

どうやら、私が「Courage(勇気)」と言ったつもりが、

彼女には「Color(カラー)」と聞こえてしまって、

ピンクに染めた髪を褒められたと思ったらしい

(どんだけ発音ヒドいんだってハナシですが)。




でも、「自分で染めたの。うまくいった!」と

はしゃぐ彼女を見て、

「きっと相当、気合入れまくって来たんだろうな」と勝手に想像して、

訂正するのもなんだかためらわれて、

そのまま、握手して別れました。




何を言えば適切なのかわからないまま、

とりあえず「Good luck」とだけ伝えて。







いま、彼女はどこでどうしているのか。

この夏のガザ攻撃を、

どんな思いで見つめていたのか。




Do the right thing」という彼女の信念が、

どうか違うベクトルに向かっていませんように…。






byしゅくらむ


シュクラムは、アラビア語で「ありがとう」。
筆者が知る数少ないアラビア語です。
ココでの出会いと、ここまで読んで下さったことに、感謝をこめて。
シュックラム!



↓よろしかったらポチポチっと押していただけますと励みになります↓

にほんブログ村 旅行ブログ 中東旅行へ   

にほんブログ村   人気ブログランキングへ

にほんブログ村 政治ブログ 政治・社会問題へ
にほんブログ村


by shuklm | 2014-11-09 10:02 | イスラエルサイド