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オトナの社会科・中東からの声を手掛かりに。

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ジェニンにて7・砲声から逃れた後は、全力で卓球!




▼砲撃から逃れた後の夕暮れ。ザバビダ村にて(筆者撮影)

ジェニンにて7・砲声から逃れた後は、全力で卓球!_b0343370_09431252.jpg



2002年6月7日。

パレスチナ自治区、ヨルダン川西岸地区。



イスラエル軍に包囲された
ジェニン難民キャンプから
命からがら戻ってきたその日、

ツアーメンバーは、

数キロ離れたザバビダ村へ向かいました。





ホームステイどころではないので、急遽、

パレスチナ・アグリカルチャー・リリーフ・コミッティー

PalestainAgriculture Relief Committee : PARC)という、

農業関連施設に宿泊させて

もらうことになりました。




何はともあれ、車椅子利用者とともに、

無事に帰って来ることができて、

正直なところ心底安堵しました。






施設の共有エリアには、

なぜか卓球台が置いてありました。


それを見つけたツアーメンバーたちが、

早速ラリーを始めました。




私はくたびれ果ててほぼ虚脱状態だったのと、

「そんなことやってる気分じゃないよ…」と

いうのも少しあって、加わらずに

観戦していました。





「あんなに悲惨な状況を観てきたのに、

よくそんなに簡単に切り替えられるな。


私は、とてもじゃないけど笑えないよ」と、


苛立ちとも怒りともつかない

感情が湧いていました。





が、しばらくすると、パレスチナ人の

コーディネーターまでも参戦し、

ガチで打ち合い始めました。



日本語も達者な彼が、

「よっしゃー!」と歓声を上げて

ハイタッチを交わすのを見て、

理解しました。




悲惨な状況だからこそ、

何もかも忘れて没頭する

瞬間が必要なんだと。



知識として知ってはいたけれど、

その時初めて、身をもって実感

したのでした。





てゆうか、リフレッシュ

しないとやってられない。



家をぶっ壊されても、

ありえない目に遭わされても、

生きている人間の日常は続いていく。





遠くにそびえる塔から、

アザーン(礼拝の合図)が

響いていました。


毎日決まった時間に繰り返し流れる、

朗々としたアラビア語の詠唱。




いつも下校時刻に校庭に

流れていた曲を聴いたような、

懐かしいような、

ほっとするような時間。





ものすごく静かで綺麗な、

1日の終わりでした。





しかし、この日はまだ

それだけで終わらなかったのです。




【次回に続きます】







byしゅくらむ


シュクラムは、アラビア語で「ありがとう」。
筆者が知る数少ないアラビア語です。
ココでの出会いと、ここまで読んで下さったことに、感謝をこめて。
シュックラム!



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by shuklm | 2014-10-18 10:40 | パレスチナ自治区 現地レポなど