ジェニン難民キャンプへ・2。悪路で助けてくれたパレスチナの子どもたち
2002年6月7日、午前。
市民交流ツアーメンバーは、
サレム村でバスを降りて、
2キロ先のロマーナ村経由で
ジェニン難民キャンプを目指しました。
ツアーメンバーの中には、
車椅子の利用者の方2名も含まれていました。
舗装などされていない、
石や砂利だらけの坂道。
車椅子は車輪をとられて、
とてもそのまま
押して進むことなど出来ません。
そこで、細く裂いたシーツを
四方から車椅子に結び付け、
4人で車椅子ごと持ち上げて支えながら、
坂を下っていきました。
私自身も途中まで車椅子を持ち上げたり、
取っ組んでいたのですが、
介助にまったく不慣れで、
足手まといでしかありませんでした。
見渡す限り人家も木陰もなく、
直射日光を遮る物のない、
50度近い炎天下。
汗みずくで悪戦苦闘していた一行のもとへ、
どこからともなく、
7~8人のパレスチナの
子供たちが集まってきて、
行く先に転がる大きい石を
手で拾ってどかしたり、
外側に蹴りだしたりして、
車椅子が進むのを
手伝ってくれ始めました。
ようやく平坦な場所に出ると、
給水タンク車が待機していました。
さらに進むと、タクシーが到着し、
車椅子利用者の2人に乗るよう促します。
「いや、頼んだ覚えはないが?」と言うと、
両方とも、子供たちが呼んでくれたそうです。
自分たちもイスラエル兵から狙撃される危険性があるというのに。
午後1時。
ついに、ジェニン難民キャンプに到着。
あの子達がいなかったら、
行き倒れていたかもしれません。
上がる息を押さえて御礼を言おうと思った時には、
もう姿は見当たりませんでした。
【次回へ続きます】
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