オトナの社会科・中東からの声を手掛かりに。

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平成最後の敗戦の日・明治維新150年の夏に。読みたい3冊


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▲個人的厳選:いまだから読みたい・読み返したい3







1■なぜ戦争を回避できなかったのか?黒歴史・自賛史観を超えて ■





▼『それでも、日本人は「戦争」を選んだ』 

加藤陽子さん著/朝日出版社/2009年刊


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明治維新後、

「世界最高の頭脳」と称された

日本の指導部が、

「ごく普通のよき日本人」が、

「もう戦争しかない」と思ったのは

なぜか?




「軍部が暴走し、庶民が抵抗

できなかった戦前は黒歴史」

という一面的な歴史観

(その裏返しとしての

日本はこんなに凄かったという

自賛史観)ではない、

侵略・被侵略の図式では見えて

こない視点を提供してくれます。




歴史に学ぶエキサイティングさと

現代に活かせる具体的ヒント満載。








2■明治維新150年、賊軍・官軍の相克から読み解く■





▼『賊軍の昭和史』

半藤一利さん・保坂正康さん著

東洋経済新報社/2015年刊

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「明治維新の”官軍”が始めた昭和の

戦争を、国が滅びる一歩手前で

なんとか終わらせたのは、

全部”賊軍”の人たちだった」






先の戦争で国を破滅へと向かわせ、

今なお日本を振り回す

”官軍”なるものの正体を明らかに

する―というキャッチに魅かれて購入。




まだ斜め読みなのですが、

明治維新が現代にまで与えている

影響を解き明かしていて、

非常に興味深いです。






以下は、個人的見解です。




明治維新は、エリートの

「上からの革命」で、

敗戦もある意味「上からの革命」だった。

それが受け入れられたのは、

「無茶な戦争だけはもう絶対に

御免だ」という国民的合意が

もちろんあってこそですが、

いつのまにかそれが「錦の御旗」

になってしまったのではないか。



左派リベラルが

戦後マジョリティとなった時、

戦争を担った人達が一転して

”賊軍”扱いされ、あまりにも

「無駄死にだった」と冷遇され

すぎたために、遺族の方々の

「自分達の家族・縁者をそこまで

言われたくない」という思いが

強まっていったとしても、

無理はないのではないでしょうか。



それに加えて、

「戦争には負けていない」という

”官軍”でありたい人達からの

「下からの革命」が、現在のヘイト

草の根右派ムーブメントなのではないかと。





その思想的源流と処方を探るために

有効な視点と感じます。









3■地位協定―「交戦」を拒否できない戦後日本のパラドックス■






▼『主権なき平和国家』

伊勢崎賢治さん・布施祐仁さん著/

集英社クリエイティブ/2017年刊

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戦後、平和憲法によって

戦争を放棄し、平和国家として

歩んできたはずの日本。


しかし戦後日本は、果たして

「平和」だったのでしょうか?



その「平和」は、戦後一貫して、

沖縄に基地をしわ寄せして、

沖縄を「憲法番外地」にすることで

成り立ってきたものではないでしょうか。


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なぜ外国軍隊の駐留が必要なのか?


主権と憲法の根源に関わる問題が

放置され、その矛盾が集中して

きたのが沖縄だったのではないでしょうか。



 


憲法で交戦権を否定しているはずが、

日米地位協定によって、実際は

アメリカの戦争への拒否権がない。



地位協定の国際比較によって、

それを明らかにしているのが本書です。





世界でも例を見ない不平等な

日米地位協定のもとで

米軍を駐留させていることで、

アメリカの「自由出撃」を可能にしている。


つまり戦後一貫して、

国際法上は「自動交戦国」だったと。





果たしてこれが独立国なのか?




「主権のない平和」状態を、

これからも続けるのか?


「勝てば官軍」だから、

アメリカについていけばいいのか?




これは沖縄だけの問題ではありません。

現憲法下で、日本中いつでもどこでも

アメリカの戦争に使うことが出来る。






戦後73年。


改めてこの現実から出発して、

現状がどこから来たのかを学び、

過去の歴史からヒントを得て、

少しずつでも変える途を

探っていきたいと思うのです。






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正午、今上天皇が出席する最後の

戦没者追悼式典を見ながら書き始め、

夜、「ノモンハン~責任なき戦い」を見ながら。






【当ブログ内関連記事】


「カミカゼ」をパレスチナに教えたのは日本人。「今でもカミカゼは日本で尊敬されてると思ってた」と聞いた衝撃。




「8月15日終戦」ではなかった。本土玉砕を免れたのは、特攻をとめた人達のお陰だった。







【当ブログ内関連カテゴリー】


安保法・安全保障・日米関係/戦争と平和

https://syuklm.exblog.jp/m2016-08-01/






byしゅくらむ



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# by shuklm | 2018-08-15 21:13 | 安保法・安全保障・日米関係/戦争と平和 | Comments(0)

「沖縄だから仕方ない」「障害者だから仕方ない」…諸々に抗う。追悼:翁長雄志知事 ※知られざる沖縄戦を追った最新映画「沖縄スパイ戦史」リンク等追記しました※


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▲新基地建設予定地の辺野古の海。 photo by ママ崎ママ
この海に、8月17日にも土砂が投入されようとしている…
#Henokoblue
#辺野古ブル









■なぜ対立せざるを得なかったのか?■





長崎原爆の日の朝、

沖縄県知事 翁長さんの訃報に接して、

「国と激しく対立してきた知事」と

いう報道を聞いて。





そもそも、なぜ、

なんのためにそこまでも

対立せざるを得なかったのか?


こちら側(本土)ではあまりにも

語られていないと感じ、

ささやかな抵抗として書きます。





元々は自民党沖縄県連の幹事長。

知事になってからも一貫して

日米同盟・日米安保堅持派で、

自ら保守を任じていた翁長さん。


辺野古への基地移設を推進する側

だった翁長さんが、なぜ

新基地建設反対の最先頭に

立つことを選んだのか?





”「沖縄の総意」を示そうと銀座を

パレードした県内全市町村長らが、

沿道から「売国奴」「琉球人は

日本から出て行け」などの罵声を浴びた。”



▼生粋の保守政治家だった翁長知事の転機 

沖縄タイムス2018.8.9

http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/296083





「十和田湖や松島湾、琵琶湖が埋め立てられたら、

全国はおそらく怒りで震えるでしょう。

しかし沖縄だとそうはなりません。

…無関心な人たちの心は痛まない」



差別と基地が「いじめ」を生む 

翁長知事が語る沖縄デマとニュース女子 


BuzzFeed News Japan 2018.1.4

貼り付け元 <https://www.buzzfeed.com/jp/kotahatachi/onaga-3?utm_term=.dg3vk7Pzd#.olDQBlbje>

(スクリーンショットも上記記事より)

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日米安保が必要だとしても、

この沖縄への仕打ちは

あまりにも酷すぎるだろうと。



なぜ沖縄だからといってここまで

差別されなくてはならないのか?



止むにやまれぬ思いだったのだと思います。







■自治体の長=地方政府の長の責務って?■





住民の声を体現して

国にもいうべきことは言うのは

自治体の首長として当然の責務です。


国の政府同士だってそうですよね?

ニコニコ握手するだけがすべてじゃない。


地方政府の長が担うべき役割を、

命懸けで果たそうとしていた。






抗いそれ自体を目的にしたい訳じゃない。


抗わざるを得なかった経緯に想いを馳せて。





「沖縄だから仕方ない」

「障害者だから仕方ない」といった

諸々の諦めや空気に抗す思いを、

新たにする日にしていこう。


そう念じた日でした。






■■






翁長さんの死去で知事選挙が前倒しとなり、

政治的には全く先が読めない状況です。




沖縄だけの選択にしている限り、

解決は難しいでしょう。



積極的に安倍政権を支持していなくても、

沖縄に「現状維持」を強いているのは、


「沖縄は大変だと思うけど、

でも日米安保が無いと困るし…」


「北朝鮮とか中国とかやっぱり怖いし…

米軍基地が無いとやっぱり不安」


「原爆は酷いけど、核の傘は必要」…


といった、ふわっとした「民意」。




それをどう変えていけるのか、だと思うのです。



ふわっとした民意を形成している要素、

沖縄をめぐる誤解を、ひとつひとつ

丁寧に解きほぐしていくこと。

現実的な展望を積み重ねていくこと。


気が遠くなるようだけれど、

やっぱりそこだと思うのです。





▼大袈裟太郎さん寄稿 

ハーパービジネスオンライン2018.8.9


翁長雄志知事死去。今だからこそ知っておくべき「本土に届かない辺野古問題の誤解」

https://hbol.jp/172403




▼オキナワ初めてのアナタに贈る・part4。3つの誤解を解こう!

当ブログ2016.10.2 

https://syuklm.exblog.jp/26243695/

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バナーデザインby坂井れいしう




いま現在も、Twitter等のSNSを通じて、

沖縄の想いや直接の体験に触れたひとが、

「考えが変わった」と発信しているように。




被爆者の人達の発話が

世界中の無数の人たちの心を打ち、

その声を繋ぐICAN等の活動が

核兵器禁止条約に結実したように。





絶えることのない

小さな声の連なりが、

これまで何度も何度も

歴史を少しずつ変えてきたように。





その小さな声のひとつでありたい、と思うのです。






◆全国各地で、翁長知事の追悼記帳所が設けられるそうです◆



Siam Cat_036‏ @SiamCat3さんのツイートより


【翁長知事の追悼記帳所】


沖縄県は8日に死去した翁長雄志知事の

逝去を悼むため10日から17日まで

県庁や各地の合同庁舎などに追悼記帳所を設置。

東京は東京事務所(都道府県会館10階)。

開庁日の午前10時から午後4時の間、受け付け。

都道府県会館--

http://www.tkai.jp/Default.aspx?TabId=84

貼り付け元 <https://twitter.com/SiamCat3/status/1027739340913266688>



#翁長知事追悼

#翁長知事死去




追記;

知られざる沖縄戦を掘り起こした

最新力作映画、全国上映開始!!

「沖縄スパイ戦史」▼

▼Yahoo!ユーザーによる映画レビューページはコチラ






********







【当ブログ内関連記事】


▼元海兵隊員も「危険を感じた」オスプレイは、日本の防衛と関係ナシ!今すぐ配備中止を。




▼首相答弁・沖縄の基地の軍事的必然性はなかった!→ゼロベースで考える契機に

https://syuklm.exblog.jp/28095561/


▼【シェア】高江で、機動隊員ひとりひとりに、語りかける。

https://syuklm.exblog.jp/26119302/









PS ブログ4周年の御礼と個人的な思い■




現在アトピー等の回復途上で、

外出を控える状態が続いています。

PCに向かうことも暫く出来ず、

今回、徹夜しても思ったことの

半分も書けず悔しい限りなのですが、

微力でも綴り続けることによって

なにがしかの貢献となることを願います。





2014年夏、

イスラエルのガザ攻撃に対して、

何か発信しないと精神的に死ぬ、

と始めたこのブログ。


お陰様で、89日で4年目を

迎えることができました。

支えて下さった方々には感謝しかありません。


渾身の言葉を尽くせば、

地球の反対側の見ず知らずの人とも

思いを通わせることが出来る。

行動を起こしてくれる人がいる。

その体感が私を前へ進ませてくれました。


そしてそれによって今、

20年以上ずっと抑えてきた、

「描くこと」への欲求が湧き上がっています。

描いて伝えないと死ぬ。




そういう自分が、

持てるリソースを最大限使って、

どう世の中に意味のあることができるのか、

如何に自分も人もハッピーにできるのか、

それを追求し続けていきたいと思います。



ブログ自体はさらに細々となってしまうかもしれません。

こんなニッチでマイナーなブログでも

お待ちいただいている方々には本当に申し訳ありません。


でも自分なりの発信は、形を変えても

変わらず続けていきます。

自分自身が生きていくために。



繋がり続けることによって、

一緒に現実をより良い方向に

塗り替えていけるように。




どうか、今後もよろしくお願いいたします。






平成最後の原爆の日に記す。






BGM:  


楽園

ポロメリア

あなたへの月

星に願いを

ジュゴンの見える丘

ひばり

by Cocco






********





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# by shuklm | 2018-08-12 02:19 | 沖縄・原発・震災など | Comments(0)

「生産性が無い人間は無価値」。杉田発言・相模原事件・優生保護法を貫く「善意による抹殺」に向き合うために。







■「消されていたかもしれない人間」から言わせてもらえば■







大変なご無沙汰恐れ入ります。

アトピー療養で、しばらく

お休みさせていただいていましたが。





自民党の杉田水脈衆議院議員が

月刊誌への寄稿で

「(LGBTは)子供を作らない、

つまり『生産性』がない」とし、

支援のための税金投入に反対する主張を投げかけた問題

BuzzFeed2018/07/23付)について、



「生産性のない人間は不要」という思考は、

LGBTだけに向けられたものでなく、

やまゆり園事件を起こした

植松被告の主張、

優生保護法を推進した医療関係者に

通底するもので、

到底素通りできるものではありませんでした。





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▲NHK ETV特集 2016年放映

「それはホロコーストの

リハーサルだった

~障害者虐殺70年目の真実~」HPより

600万人もが犠牲になった

ホロコースト(ユダヤ人大虐殺)は、

その前段で、約30万人もの

ドイツ人の精神障害者や知的障害者、

てんかんやパーキンソン病など、

回復見込み無しとされた病人たちが

ガス室などで殺害されました。



それも、

「生産力のない障害者を

社会のために減らす」という

「善意」によって、です。






私自身、発達障害当事者です。




てんかん傾向があり、また

以前そこそこ重めの精神症状

(壁が喋っている幻聴)も患いました。



なので、

ナチスT4作戦や

優生保護法下であれば、

収容所送りか、

不妊手術を強制されていた

部類の人間です。




そして現代のこの日本で、

「お前は不要」と宣言されたようなものです。





ですが、それが何か?? 





私が必要か否かを、

勝手に決めるなと言いたい。




幸か不幸かは私自身が決める。


私達の人生は #誰にも決められない






その大前提の上で、

世界的に稀に見る人権問題という点だけでなく

ココではあえて少し違う視点から

なるべく冷静に反証を試みてみます。







■物差しは相対的なモノ■





まず、

#生産性がないと罪悪とか言うけど、

じゃあ例えば「楢山節孝」とかどうなの??



「楢山節孝」とは、

カンヌ国際映画祭で

パルムドールを獲った、

今村昌平監督の映画。



農業生産力が極端に低い

日本の寒村、村落共同体においては、

子供が増えることはムラの死を意味する。



その状況下では、

「生産性が高いことは害悪」だった。




つまり、物差しなんて、

その時々の時代や共同体や状況によって

いくらでも変わりうる相対的なモノ

に過ぎないということです。






■生物学的な生存戦略は「弱肉強食」ではない!■





また、

「人工透析を受け入ている患者は死ね」

と書いて炎上した長谷川豊アナもいましたが、

2重の意味で間違っていると思います。

大炎上!長谷川豊「人工透析患者は死ね」と暴言

https://matome.naver.jp/odai/2147442769155632201?&page=1



理由は、上記で指摘されている通り、

「糖尿病の8~9割は自業自得」

といった認識が事実ではなかった

ことがありますが。



もうひとつ。

糖尿病の原因となる遺伝子は、

飢餓が日常的だった時代には

極めて有効だったということ。



人類は、生存戦略として

あえて弱いと思われる遺伝子も

含めて、多様であることによって、

生存可能性を増やそうとしたということです。




これについて、非常に明快な

説明があります。


ご存知かもしれませんが、

改めて拡散いただきたいので貼りますね。




Yahoo!知恵袋

「弱者を抹殺する。 不謹慎な質問ですが、

疑問に思ったのでお答え頂ければと思い…」

という強烈な質問に対しての回答が秀逸だと話題に


貼り付け元 <https://fundo.jp/5661>




***シェアココから*****




”よくある勘違いなんですが、

自然界は「弱肉強食」ではありません”



”種レベルでは「適者生存」”


”「強い者」が残るのではなく、

「適した者」が残るんです




(「残る」という意味が、

「個体が生き延びる」という意味で無く

「遺伝子が次世代に受け継がれる」

の意味であることに注意)”




”必ずしも活発なものが残るとは限らず、

ナマケモノや深海生物のように

極端に代謝を落とした生存戦略もあります


多産なもの少産なもの、

速いもの遅いもの、強いもの弱いもの、

大きいもの小さいもの、、、、

あらゆる形態の生物が存在する

ことは御存じの通り


「適応」してさえいれば、

強かろうが弱かろうが関係無いんです”




”「優秀な遺伝子」ってものは無いんですよ”




”あるのは

「ある特定の環境において、

有効であるかもしれない遺伝子」です”



”遺伝子によって発現される

どういう”形質”が、

どういう環境で生存に有利に

働くかは計算不可能です


例えば、現代社会の人類にとって

「障害」としかみなされない形質も、

将来は「有効な形質」になってるかもしれません



だから、可能であるならばできる限り

多くのパターンの「障害

(=つまるところ形質的イレギュラーですが)」

を抱えておく方が、

生存戦略上の「保険」となるんです”



”我々全員が「弱者」であり、

「弱者」を生かすのがホモ・

サピエンスの生存戦略だということです”




**********




「優秀な遺伝子」なるものは無い。


私たちは誰もが「弱者」であり、

誰もが「強者」になりうる。


ただ相対的な状況次第だということ。


物凄く納得がいきませんか?






■「障碍者にだって生産性がある」の危うさ■






その上で、ここであえて

付け加えるとすれば。




生産性に対する対する反論として、

「障碍者にだって生産性はある」

という対置は、ちょっと危険

なんじゃないかとも考えます。




もし、

「稼いでる障碍者だっている」

「アートを生み出す障害者だっている」

「障碍者だってこんなに生産性がある」って

同じ土俵に乗ってしまったら、


「そんなものが生産になるか!」

とか、価値観の相違で、

永久論争にしかならないんじゃないか。





そう感じていたところで、

非常に共感した文章に出会ったので、

ご紹介させていただきます。





▼「生産性は本当に『人』の価値ですか?」

義足の女優の思い 

障害者、LGBT、相模原事件


7/26(木)付BuzzFeed

石戸諭 | 記者 / ノンフィクションライター

貼り付け元 <https://news.yahoo.co.jp/byline/ishidosatoru/20180726-00090748/>






そうなんです。




「生きていることそのものの価値」を

どうやって伝えていくのか、

それを考えたいのです。






今回の件、一番問題なのは、

「善意による抹殺」という思考。





杉田議員の主張、

植松被告の論理も、

優生保護法を推進した医療関係者も、

主観的には「善意」で、

しかもそれを支持している層

(良しとしてきた層)がいる。





小田嶋隆さんも指摘されていますが、

奇矯な特定の一個人の見解でなく、

「ひとつの民意である」という事実。




小田嶋隆の「ア・ピース・オブ・警句」 ~世間に転がる意味不明

杉田水脈氏と民意の絶望的な関係 2018727日付

貼り付け元 <https://business.nikkeibp.co.jp/atcl/opinion/15/174784/072600152/>



絶望的ではありますが、

事実としてはその通りでしょう。





ですが、絶望して終われないのです。




それとどう向き合っていくのかを考えたいのです。






【体調が許せば、後日part2

書きたいと思います】




byしゅくらむ



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# by shuklm | 2018-07-28 22:42 | ホロコースト/ヘイトのこと | Comments(3)

米朝会談前に・part2。なぜ北朝鮮は核開発を加速させたか?転換点は「イラクとリビアの教訓」~中東からの視点を手掛かりに。







1■「カダフィ政権崩壊はリビア非核化と別問題」か??■






前回はリビア方式非核化を担った

アメリカ最強硬派の主張を紹介してきました。

https://syuklm.exblog.jp/28358263/



今度は、非核化はリビアと北朝鮮に

何をもたらしたのかを見ていきます。


(ノート状態で長文で恐縮ですが、

ご参考になれば幸いです)。

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世の中的な評価としては、

「リビアが非核化したのはよかった。

テロ国家指定も経済制裁も解除された。

カダフィ政権崩壊したのは残念だった

けど」という報道が多いようです。




代表的なのは、

「リビア方式が最善」と唱える

島田洋一氏の以下の主張でしょう。


月刊Hanada20187月号より





***引用ココから***



”産油国リビアの場合は、

制裁解除と同時に、

原油の輸出で経済発展の道筋が付けられた。



大量破壊兵器とミサイルの放棄により、

カダフィは内政の安定を経て、

最終的に二〇一一年、

「アラブの春」の波の中で

殺害されるまで、命脈を保ち得た。


原爆を持っていてもデモ隊には使えず、

二〇〇三年に核を放棄していなければ、

経済的な行き詰まりで、おそらく

より早期に命を落としただろう。”




***引用ココまで****





しかし、もう一方の当事者である

リビアが属するアラブ世界や

アフリカの側の認識を知ると、

それはあまりにもフェアではないと感じます。






ここで主に道案内人としてご紹介する

重信メイさんは、日本赤軍幹部の娘と

して中東で生まれ育ち

ジャーナリズムを学んだという

特殊な生い立ちを持つ方ですが、

現地情勢に精通されているだけでなく

フェアな視点を持っていることから

信頼に足る方と思っています。





リビアの最高指導者だったカダフィの評価についても、

「革命当初は、チェゲバラのような

ハンサムでポリシーのあるリーダー」

であり、全世界の反体制活動・

民衆運動を支援してきたという

「光」の面と同時に、

内政での専横という負の面についても

きちんと指摘されています。





そのカダフィですが、

核査察・非核化を受け入れたのに、

なぜ倒れたのか?





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▲重信メイさん著「アラブの春の正体

欧米とメディアに踊らされた民主化革命」

2012年・角川oneテーマ21発行








2■非核化受け入れ後の暗転■






革命で政権を奪取した頃は、

「アラブナショナリズム」を掲げる

エジプトのナセル大統領に憧れ、

欧米に対抗していたカダフィですが、

それが挫折すると、アフリカに軸足を移していきます。



そして2000年代、一転して

欧米との外交に積極的になり、

核査察を受け入れ、核兵器の廃絶、

テロ路線からの転換に大きく舵を切ります。

(1988年イギリス・ロカビー上空で

起きたパンナム機爆破事件の

賠償金支払い等)





それにもかかわらず、ある時点を境に

バッシングが始まったといいます。




なぜ、欧米と対話を始めたカダフィに

対して、バッシングが始まったのか?





重信メイさんの指摘する要因は3つ。



1つ目は、リビアの持つ豊富な資源

天然ガス等)、


2つ目は、リビアと中国の接近、そして


3つ目、決定的な要因は、

「アフリカ合衆国という

独自の経済圏構想だったと。




カダフィは2010年、

「アフリカ連合」の会議で

金本位のディナールという地域通貨を作ることを発表


これが欧米社会の強烈な逆風を呼んだというのです。





***引用ココから*****




(重信メイさん著「アラブの春の正体

欧米とメディアに踊らされた民主化革命」

2012年・角川oneテーマ21発行 より)


※≪≫箇所はしゅくらむによる補足です





いままで、有力な国際通貨と言えば

米ドルかユーロでした。


アメリカにとっては

ドルが基軸通貨である限り、

足りなくなれば刷ればいい、

打ち出の小槌を持っている

ような状態が続いています。


かし、お金ではなく

普遍的な価値のある

を使うということになれば、

アメリカやユーロ圏は大打撃を受けるでしょう。


イラクの元大統領サダム・フセインは

二〇〇二年に石油の売買をドルではなく

ユーロを使うと宣言しました。

同じ年、アメリカによってイラク戦争が起こされました。”




”このことと戦争の関係は

明言できませんが、

事実として覚えておく価値が

あると思います”





***引用ココまで*****





少なくとも、2010年末

アフリカ連合の会議で

「金本位」を宣言した

そのタイミングで、リビアで

「革命」という名の「内戦」が

起こった、とアラブやアフリカでは

見られているそうです。



それまでの「アラブの春」が、

止むに止まれぬ民衆の声、つまり

「下からの革命」だったのに対して、

カダフィ政権への反政府運動は、

欧米が介入した「内戦」だったと。







3■ゆがめられた「リビアの春」■






2011年、

リビアへのNATO空爆のキッカケは、

「リビア政府軍による虐殺」という

1本の電話でした。






***引用ココから*****





”この時、私はアルジャジーラの放送を

フォローしていたのですが、だんだんと

報道が偏っていくことを感じました。


たとえば、現地に危険では入れない

という理由で、電話取材の音声を

どんどん流し始めたのです。


誰が証言をしているのかも、

どこから証言しているのかも、

それが本当の証言なのかも

わからないまま”





”あるとき、アルジャジーラの

電話取材を受けた人が

「いま、リビア政府軍が

一般住宅を空爆しました。


一〇〇〇人以上が亡くなりました。

虐殺です」と叫びました。


そしてすぐにアルジャジーラが

「民間の住宅地が空爆され1000人の犠牲者が出た」

というテロップを流し続けたのです。


私はこのとき、

CNNBBCも観ていたのですが、

ほんの数分後には、

アルジャジーラの情報を

もとに緊急ニュースとして、

同じニュースを流しました。


そして、この報道がきっかけとなり、

数日後の国連で、国際的な軍事介入を認める決議が出ました。





私はこのニュースを見たとき、

違和感を感じました。




まず電話取材だけで、なぜ

この無名の人の言っていることが

正しいと言えるのだろう。

誰もウラを取っていないのに。


一〇〇〇人という犠牲者の数も

どこから出てきたのか。


ジャーナリストであれば

誰もが疑問に思うことが

疑いもなく報道されていたのです”




≪その後これが事実と異なることが判明するも≫


”リビア攻撃のきっかけになった

この誤報について検証することも

されていません”






NATOによる空爆に

「アメリカは参戦しなかった」、

言っていますが、事実とは異なります。



今回の「反乱」が起こった直後から、

アメリカのCIAは国民評議会

≪反カダフィ派≫の兵士の

軍事訓練に関わっていました。


一度、CIAの乗っているヘリコプターが

墜落したことがあり、その事実が

バレてしまったのです。




しかしそのことを取り上げたメディアは

ごくわずかでした。”





●無視されている「カダフィ後のリビア」





20118月、

カダフィは自宅を追われ逃亡し、

カダフィ政権は崩壊しました。


そして、1020日に国民評議会が

カダフィが死亡したことを発表しました。



それまでメディアは

あんなに騒いでいたのに、

カダフィが死んだあとはさっぱり

報道が止んでしまいました。



おそらく、世界中の人たちは、

その後、リビアは民主化されて

平和な状態が続いていると思っている

のではないでしょうか。”





”しかし≪発行の2012年当時≫、実は

まだ内戦が収まってもいないのです。



いろいろなところで自治政府を作ったり

独立すると言い出した部族も出てきました。


いまのリビアは、部族間の対立が激しく

なっていますが、それは各部族が

武器を持ってしまったからです。


今回の内戦で、欧米、カタール、

バーレーンの「支援」で送り込まれた

大量の武器のお陰で、

リビアはいつ新たな内戦に突入しても

おかしくない危険な状態にあります”




”いま、欧米のメディアはリビアの状態を

見て見ぬふりをしています。

アフリカで起こっている出来事が

報道されないのと同じです。”





***引用ココまで*****





実際この後リビアでは内戦が勃発し、

報道は途絶えました。




私自身も今回、

東京外国語大学の

「日本語で読む世界のメディア」

http://www.el.tufs.ac.jp/tufsmedia/

(アラビア語・ペルシア語・トルコ語等の主要メディアをカバー・訳出)

等で検索してみましたが、

「革命後」リビアの情報は、ほとんど

ヒットしない状態でした。





その中でも見つけることのできた

数少ないリビアについての記事は、

悲憤に満ちたものでした。





▼「シリア、イエメン、リビア:アラブ世界の

再植民地化のための革命が起こったのか?(2)」

http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/html/pc/News20170810_103234.html


2017年08月05日付 al-Qudsal-Arabi紙

ファイサル・カースィム博士

(翻訳者:中鉢夏輝氏)




”リビアは、同国の覇権と資源の分配を狙う

多くの勢力の間の戦場と化した。


権力と戦ったリビア人は、

外国勢力がリビアを支配し傘下に置くために

利用する駒に成り下がった。”



”ロシアを含む多くの国々が、

リビア領内に自国の軍事基地を

建設したのではなかったのだろうか。”



”国内の圧制を終わらせるために

国民は立ち上がったはずだが、

外国の圧制が到来した。”



”革命の結果、新たな植民地主義の

ほかに何が残っているだろうか。”







4■「独裁者の末路」が意味するもの・「イラクもリビアも、核を持っていなかったからやられた」■





カダフィ死亡時の詳細は

いまだ不明なままですが、

拘束されて路上に引きずり出され、

リンチを受けて血まみれになりながら

悲鳴を上げる「最後の映像」が流出し

「これがかつての独裁者の姿か」と、

世界中に衝撃を与えました。


私もそれを観たひとりです。




それが北朝鮮の政権に与えた

インパクトはそれ以上だったでしょう。


カダフィ氏の死亡状況は情報錯綜、拘束時「何が起きている」

貼り付け元 ロイター2011年10月21日付


※静止画ですが流血有り。閲覧はご注意ください

<https://jp.reuters.com/article/idJPJAPAN-23737520111020>






「リビアは核査察も受け入れ、

テロ支援国家指定も経済制裁も

解除されたのに、結局

国土は空爆に晒され政権は崩壊した。



かつてアメリカの”子飼い”だった

イラクのフセインも、最終的には

公平な公開裁判なしに殺された。



自分達もこれと同じ最期を辿るのか?」

と。





つまり国際社会の介入に従っても、

欧米の意に反するとなるや反故にされ

その時々の都合で結局はやられてしまう

という「教訓」を北朝鮮に与えた

のではないでしょうか。





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▲ちょうど1年前20175月の日曜討論にて

南山大学教授・平岩俊司さんNHK

南北会談をリアルタイム解説されていた方)

が同様の指摘をされています。





「北朝鮮が核開発を始めた当初は、

『核開発を放棄する代わりに

平和協定を結んでほしい』とか、

有利に交渉するためのカードの一つだった。



しかしその後イラク戦争で、

『フセイン大統領が核を持って

いなかったために攻撃された』、


リビアでは『カダフィ大佐が核を

放棄したために、最終的には

アメリカによって排除された』

という思いが非常に強い。




『やはりなんとしても核を持たないと

いけない』ということで、いまや

交渉カードと言うより、明確に

アメリカに届く打撃力を持つことが

交渉力になるし、自分たちの体制維持に

繋がると考えていると思います」







これを、イラク・リビアの年表に

北朝鮮の年表重ねてみると、

一目瞭然です。



参考:「原水爆禁止日本国民会議」

ホームページ

http://www.gensuikin.org/nw/libya.htm

核兵器のページデータに基づき作成

(赤字がイラクとリビア)



200319日 IAEAのイラク核査察報告。

 (1991年~98年の査察で新たな核兵器開発の証拠見つからず。

 しかしアメリカはイラクへの攻撃意思を取り下げず)


2003110日 北朝鮮、アメリカの軍事的脅威を理由にNPT脱退表明


20032月 イラク、IAEAの指示に従いミサイル廃棄

20033月 イラク攻撃


2003年12月 イラクの元フセイン大統領、米軍に拘束される

2003年12月 リビア、すべての化学・生物・核兵器を放棄と発表


2004年 イラク戦争後、大量破壊兵器の捜索をアメリカが断念


2006年北朝鮮第1回核実験

2009年北朝鮮第2回核実験、テポドン2発射


2011年 NATOの軍事介入、リビアのカダフィ政権崩壊

2013年北朝鮮第3回核実験

2016年北朝鮮第4回・第5回核実験





「制裁対象だったイラクやリビアが、

国際社会の言うことに従って

制裁解除しても核廃棄しても、

結局無駄だったじゃないか。


イラク戦争の根拠が嘘だとわかっても、

リビアも非核化した後やられた。

むしろ核を手放したらおしまいだ」

と、北朝鮮が核やミサイル開発を

加速させていることが見て取れます。




実際、

長距離ミサイル・核を持つことによって、

アメリカは本土への反撃を危惧し、

北朝鮮を攻撃しづらくなっている。


「核とミサイルがあればやられない」

いう北朝鮮の認識を裏付ける結果と

なってしまっています。






こうした事実から見るとき、

リビア方式による非核化の結果として

正反対の結果を北朝鮮にもたらして

いるのではないでしょうか。



そういう意味では、大局的には

「リビア方式」「棍棒外交」は

失敗だったといえると思います。





しかもリビアと北朝鮮では核開発の規模が違う。


リビアのそれがほんの初期だった

のと比して、北朝鮮は

核実験まで成功させ、

国防の要となっています。






「リビア方式」というワードを

使わなくても、

即時の「完全かつ検証可能で

不可逆的な非核化」、

「さもなくば圧力最大化・

攻撃も辞さず」というのは、

それとほぼイコールです。



だからこそ、

今回もアメリカが「棍棒」を

振りかざし続けるなら、

交渉が決裂しかねない。



それを強く危惧します。






別に北朝鮮の肩を持つつもりは

ありませんが、

調べてみる限りでは、少なくとも、

「体制を崩壊させない」という保障と

短期的でなく長期的段階的な非核化が

現実的な道というのが事実なのでは

ないでしょうか。





まずはそこになんとか

軟着陸出来ることを願って、

明日の会談を見守りたいと思います。







(北東アジアの平和構築と

朝鮮半島非核化の

具体的な前進のためには、

朝鮮戦争の司令部である在日米軍基地と

地位協定見直しが不可欠だと考えますが

それについてはまた別途書きたいと思います)






【当ブログ内関連記事】



▼米朝会談前に・part1。「リビア方式が成功例」と言う根拠は?対北朝鮮・最強硬派の主張を聞いてみる。




▼北朝鮮危機に考える国防part4・これが38度線リアル!太平洋32か国の軍トップと議論したことは?解決の方途は?@伊勢崎賢治さんJazzLIVE






byしゅくらむ



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# by shuklm | 2018-06-11 20:23 | 安保法・安全保障・日米関係/戦争と平和 | Comments(0)

米朝会談前に・part1。「リビア方式が成功例」と言う根拠は?対北朝鮮・最強硬派の主張を聞いてみる。





▼先月27日、NHK日曜討論より 

同じ「非核化」というワードでもここまで認識のズレ

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1■「伝える力」の必要性を痛感する日々■




史上初の米朝首脳会談をめぐり、

駆け引きが連日報道されています。



少しでも北東アジアの平和構築が

前進してほしいと願っていますが、

一方で、「交渉なんて無駄だ。

北朝鮮に今まで何度騙されてきたか。

外交努力なんてお花畑だ。

圧力を緩めるな」という意見もあります。


また、戦争までは望んでいないけれど、

「そうは言っても、北は危ないから

核放棄させないと安心できない…」

「結局アメリカを頼りにするしかない」

という意見もあるでしょう。




それに対して、

ひとつひとつきちんと根拠をもって

自分の言葉で向き合う力、

堀潤さん言うところの、伝える力」を

アップしていく必要があると、

日々ひしひしと感じています。


「ファクトに基づいて小さい主語で語る」ことで、相手に届く言葉を。




私は北朝鮮専門家でも中東研究者でもない

ただの1勤め人にすぎませんが、

シロウトが入手可能な情報の範囲で

ひとつひとつ学び考えたことを書いておきたいと思います。


現在アトピー療養中で長文が難しく、

ノート状態で恐縮ですが、

ご参考になれば幸いです。







2■「非核化」をめぐるズレが孕む危険性■





今回1回の会談ですべてが解決する

わけではないのはもとよりですが、

一番気になるのは、

「非核化」をめぐる同床異夢です。





先月27日、日曜討論より

静岡県立大学 奥園秀樹さんの指摘

「パンムンジョム宣言の英語版を読むと、

韓国側はシンプルに”朝鮮半島の非核化”

と言っているのに対し、

北朝鮮側は”朝鮮半島を非核地帯化”と

言っている。

北朝鮮に一方的に核を捨てろというのではなく、

トータルでの安全を主張している」

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最近トランプ大統領は「リビア方式」という

ワード自体は使わなくなりましたが、

掲げている方針である

「完全かつ検証可能で不可逆的な非核化」、

「さもなくば圧力最大化・攻撃も辞さず」

というのは、実はリビア方式とほぼイコールなんです。





これは本当に軟着陸が難しいと感じます。






そこで、あらためて、リビア方式って具体的には何なのか、

そしてリビアはその結果どうなったのか?

というのを押さえておきたい。





まず、ボルトン補佐官や支持者ら

「対北宥和はありえない」

「リビア方式にどれだけ近づけられるかがカギ」という

最強硬派の具体的な主張を聞いてみましょう。




そして、もう一方の当事者・リビア

(アラブ世界とアフリカ)の側から

それがどう認識されているのか、

そして北朝鮮がそれをどう受け取った

のかを見ていくことで、

解決の方途を探るヒントになればと思います。





【主な参考図書・ニュースソース等】


重信メイさん著「アラブの春の正体―欧米とメディアに踊らされた民主化革命」2012年・角川oneテーマ21発行


「月刊Hanada20187月号・飛鳥新社


「原水爆禁止日本国民会議」ホームページ

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アルジャジーラ英語版Twitter https://twitter.com/AJEnglish


NHK日曜討論


TBSサンデーモーニング








3■最強硬派「リビア方式は成功例」の根拠■






▼初めて買いました、「月刊Hanada

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20187月号の島田洋一氏の記事

「金正恩を追い詰める非核化の成功例”

リビアモデル”」

から抜粋してご紹介させていただきます。

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島田氏は、ジョン・ボルトン補佐官と

直接5・6回面談したことがあり、

リビア交渉時の米側代表だった

ロバート・ジョゼフ氏

(当時の国家安全保障会議

核拡散戦略上級部長)とも5月に意見交換し、

さらに彼の腹心の部下で首席補佐官の

フレッド・フライツ氏とも親交の深い

という、対北最強硬派。



リビア方式が成功例という根拠は?

なぜ「対北宥和はありえない」のか?





▼ボルトン補佐官(月刊Hanada20187月号より)

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**抜粋ここから****



※≪≫箇所はしゅくらむによる補足です





”ボルトンが、目指すべき「完全かつ

検証可能で不可逆的な非核化」の

成功例として常々上げるのが、

「リビア・モデル」だ。”



”実際いかなるものであったのか”




”1.最高指導者に直結する対外情報機関

(CIAとMI6)幹部が、交渉および

廃棄・検証の初期段階を担った。”


”「雰囲気作り」のための譲歩に

傾きがちな国務省や、動きが鈍い

国際機関は関与させなかった”


≪途中から関与≫




2、合意成立の1ヶ月後には

米軍機と戦艦による廃棄対象物質の

海外搬出が始まり、3ヶ月後にはほぼ完了。


≪驚異的なスピード!!≫



”合意発表から約一か月後の二〇〇一年一月、

米海軍のC-17輸送機が、

まず最も重要な物質・パーツを、

リビアから米テネシー州のオークリッジ国立研究所に搬出した”


≪一国の安全保障にかかわる兵器を、

一国に移転していたという事実…≫





3、すべてのウラン濃縮用機材や原料を

廃棄対象とした「平和利用」目的の部分、

すなわち軽水炉原発の燃料(低濃縮ウラン)

製造用の部分は廃棄対象から除外する

といった措置は認めなかった。


≪イラン的な平和利用も認めないということ≫




4、核のみならず化学兵器、

射程三百㎞以上の中距離ミサイルも

廃棄対象となった




5、合意成立後、疑惑施設の査察要求に

リビアが即時全面的に応じた。


米英諜報機関が把握していなかった

関係施設に自主的に案内したケースもあった。


「完全かつ不可逆的な」廃棄か否かは

物理的には照明困難で、査察に対する

態度で判断するしかない。

リビアは「合格」であった。





6、テロの精算も同時に行われた。


具体的には、一九八八年十二月二十一日

のパンナム機爆破テロ(ロッカビー事件。

スコットランドのロッカビー村上空で発生。

死者二百七十人。うち米国人百九十人、

英国人四十三人)の責任を

リビア政府が公式に認め、

犠牲者遺族に対する二十七億ドルの

賠償金支払いを約束した。


また、中東テロ組織に対する支援の

打ち切りも約束した。





7、リビアへの見返りは「見返り」は、

核・ミサイルの廃棄完了後に提供された。


すなわち、金融制裁と航空機往来禁止解除が二〇〇四年九月、

テロ支援国家指定の解除が二〇〇六年六月などである。





8.サダム・フセインの悲惨な末路を

指し示しつつ、カダフィに斬首作戦の

恐怖を与え続けた。




20031213日、

イラクのサダム・フセイン元大統領が

地下の穴倉から米軍に拘束される≫




”その3日後に当たる十六日、

ロンドンでの協議において、

リビア側は全ての大量破壊兵器および

関連物質の廃棄に同意する。


サダムの拘束がカダフィを大いに動揺させた、

というのが米側の理解であった。”




”「当時、カダフィは偏執狂(パラノイア)的に

米軍の攻撃を恐れていた」とジョゼフは言う。”




”米英側は、早く見返りが欲しければ

早く全面廃棄を実行せよ、との立場を変えなかった”



CIAMI6のような諜報能力を持たず、

軍事力の後ろ盾もない国際機関では、

独裁国家の秘密核開発を暴くことは出来ない”


”IAEAのような国際機関は、

多くの場合、むしろ足を引っ張る

存在となるというのがジョゼフの総括である”






***抜粋ココまで***





この過程では、

リビアに搬出されようとした核物質を

米英独伊が船舶臨検で発見したり、

諜報機関が主導権を握っていました。



また、米側は、

かつてアメリカの”子飼い”だった

フセイン元大統領の末路に震撼した

カダフィに対して、

「実際にレーガン政権下で実行された

斬首作戦を今度こそやるぞ」、という

脅しをかけ続けています。

その結果の核と武器の解体でした。




この文章では、それをもって

リビアモデルの成功とし、

北朝鮮が求める「段階的な非核化」は

その対局であり、絶対に受け入れるべきでない、と結論付けています。







4■「リビア方式成功」のカギは棍棒外交■






これは正直凄いなと思いました。

「棍棒外交の勝利」であることを前面に出して、

はばかることが無い。



確かに、「非核化」というミッションについては

合意から3か月で完了という、物凄い高速で

ほぼ完璧に実現されたといえるでしょう。

その意味では「大成功」と言えます。




しかし果たして、こういうやり方を、

当然の世界スタンダードとしてよいのでしょうか?




「ならず者国家」認定した相手を

手段を択ばず脅して締め上げていうこと聞かせる。


世界が積み上げてきた国際法も、

国際機関も関係ない。




こういう振る舞いをしてきたから、

アメリカというナショナルな枠組みに

対して反感や恨みを買ってしまう

のではないでしょうか。


「なんでアメリカは核兵器も原発も持ってて

戦争やりたい放題でOKなんだよ?」と。


だから「欧米の唱える正義と自由」に

異議を唱えるISや、それに共鳴する

ホームグロウンテロリストが

産まれてしまうのでは…と思うのですが。





しかし、一方で、

こういう棍棒外交を支持する人たちや、

あるいは「アメリカのやり方は乱暴

かもしれないけど、守ってもらってる

んだから仕方ない」と感じている人たち

にも、届く言葉を増やしていく必要が

あるでしょう。




キレイごとでなく、

「核兵器を持つ独裁国家」と

どう向き合っていけばいいのか、と。






それでは、そのリビアは

非核化後、どうなったのでしょうか?


そしてそれは北朝鮮にとって

どういうものとして認識されたのでしょうか?





今度は、中東専門家・ジャーナリストで

リビアもウォッチしてきた重信メイさんや、

中東メディアの視点を借りて見てみます。



アラブ世界・アフリカの側から

逆照射すると、全く違う姿が現れてきます。





【続きます】







【当ブログ内関連記事】

▼歴史的南北会談。韓国の友人たちの願い・分断を解決する最後の1ピースとは??


▼何度も危機を経験してきた韓国。兵役経験者に聞いてみた・Part1;北朝鮮の隣で暮らし続けるということ。



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# by shuklm | 2018-06-09 20:10 | 安保法・安全保障・日米関係/戦争と平和 | Comments(0)