オトナの社会科・中東からの声を手掛かりに。

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沖縄とパレスチナで見たそっくりの光景、言われた同じ言葉。「帰ったら日本を変えてほしい」






■私が見た沖縄とパレスチナ、デジャヴュのような相似形■






もう10年以上前ですが。

パレスチナ自治区を訪れた時、

あまりの既視感に目を疑いました。



「初めて来たのに、

なんでこの風景を

私は知ってるんだ??」




見渡す限り続く、

整然と区画された田園風景。


車窓いっぱいに見える

広大な敷地は、すべて

イスラエルに占領された土地。






1997年の少女暴行事件後、

嘉手納基地を包囲する

ヒューマンチェーンに参加

するために

沖縄を縦断する国道を

北上しながら見た風景が、

まさにそれでした。



広くてゆったりした

綺麗なビーチやデカイ敷地は、

全部が米軍基地。


縮尺を間違ってるんじゃないか

と思うくらい狭い場所に

ひしめくように押し込められて

いるのが、地元の人たちの家々。





びっくりするほどの相似形を

成していたその風景は、

成り立ちまでが似通っていました。






パレスチナの人が

かつて住んでいたのに、

中東戦争によって追われた土地。


目の前にあるのに、

いまは立ち入ることも

耕すこともできない占領地。






沖縄戦後、アメリカ占領下で

多くの土地が米軍に接収され。

終戦後やっとの思いで

再建した家や畑を、

朝鮮戦争時、

「銃剣とブルドーザー」で

追い出され

米軍基地が拡張されて。



金網の向こうに見えている

自分の土地に立ち入ることも、

子どもの頃に登って遊んだ

庭のガジュマルの樹に

触れることもできないまま

60年以上が経過。







そして、現在。



学校へ向かう子供たちが通る

生活道路を、銃を持った

フルメタルジャケットの

兵士が闊歩する風景も、

パレスチナと同じ。




▼これが日本か 米兵が銃持ち県道を移動、沖縄・高江

2016年7月27日付 琉球新報

http://ryukyushimpo.jp/news/entry-324192.html

画像も同紙から拝借しました▼

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オスプレイが「不時着」しても、

小学校に米軍機部品が落下し

避難シェルターまで造られても、

飛行を止めることすらできない。


沖縄は占領下じゃないのに、

占領状態がそのまま残っている。




これって独立国なの??







■基地の始まりがそもそも国際法違反■







こうした米軍基地問題の

始まりの問題点について、

沖縄選出参院議員の

伊波洋一さんが指摘されています。



▼伊波洋一さんTwitterより

https://twitter.com/ihayoichi/status/1037579357823201281

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***シェアココから***



”沖縄の基地問題の原点は

米軍占領による住民からの土地強奪。

占領軍による住民財産の没収は

ハーグ陸戦条約「第四六條 

私有財産ハ之ヲ没収スルコトヲ得ス」

によって禁じられている。


米軍基地の返還を求めることは

沖縄県民の正当な権利である。


普天間基地の返還で県内に

新たな基地を求めるのは不当だ。”




***シェアココまで***





少し解説させていただくと、

基地問題の始まりが、そもそも

戦時の敵国領土における

軍の権力について定めた

ハーグ陸戦条約違反だと。


たとえ占領していても、

住民の財産や私有地を勝手に

没収することは国際法違反だと。


この指摘は全くその通りだと思います。



(イスラエルの占領地での入植も

国連安保理や国際司法裁判所から

何度もダメだと勧告されています)




占領者によって

奪われた土地を返還させる

正当な権利を行使しないで、

どこが独立国家なんでしょうか?







■沖縄でもパレスチナでも言われた言葉「帰って日本を変えてほしい」■






なので、

「沖縄ガンバレ」みたいな声を

見聞きすると、

悪意がないのは重々承知して

いるのですが、どうにも

「わじわじ」して

居心地が悪くて仕方ないんです。





パレスチナでも沖縄でも、

言われたのは同じ言葉でした。





「日本に帰ったら、

アメリカの戦争を支えている

日本を変えてくれ」と。







沖縄で交流した様々な人達からも

異口同音に言われました。




平和バスガイドの草分け・

糸数慶子さん(現・参院議員)、


「基地・軍隊を許さない

行動する女たちの会」の

メンバーの女性の方々、


読谷村の反戦地主・知花昌一さん、


「沖縄のガンジー」と呼ばれた

阿波根昌鴻さん(故人)も、


「沖縄が基地を望んだことは

一度もない。

沖縄に基地を置いているのは、

本土の側。

だから本土へ帰ったら、

日本政府を変えて欲しい」、と。






▼阿波根さん達が島ぐるみ闘争の時に建てた

「伊江島 土地を守る会」の団結道場

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■大事なのは、「最前線」を作らせないこと■






実際、

「最前線」の現場で

出来ることは限られます。



パレスチナでは、

私たち市民ツアーの一行は

迫りくるイスラエル軍の

戦車を止められず、

なす術なく難民キャンプを

後にする事しかできませんでした。



沖縄では辺野古の新基地建設完成が

非暴力の直接行動で

10年押しとどめられてきましたが、

でもそれだけでは、

全体状況を止められない。



そうした現地での直接行動を

無駄にしないためにも、次々と

機動隊などを送り込んでくる

政府を止めないと、

延々とどこかで繰り返される。




だから、

いかに最前線を作らせないかが

肝心なのだと。


沖縄とパレスチナで

自分なりに学んだ

最大のことはそれでした。







■最前線で争い合わされるのは■





そして、忘れてはならないのは、

「最前線」で争い合わされるのは

いつも普通の人たち同士

だということです。




沖縄の新基地建設工事を

止めようと座り込む

沖縄戦を生き残った

おじいやおばあを

排除しているのは、

地元沖縄の軍警だけじゃない。


神奈川や大阪など

あちこちの県警から派遣された、

若い機動隊員や、警備員たち。




▼高江の機動隊員や警備員たち

Photo by ママ崎ママ

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パレスチナでの占領を

やめさせようと

非暴力で訴える人達を

実弾や催涙弾で追い散らして

いるのは、

つい数週間前まで

ニンテンドーのゲームを

やっていたような、

189歳の新兵たちでした。




▼ひとりひとりは人懐い笑顔のイスラエル兵たち。

2002年6月、パレスチナ自治区

ヨルダン川西岸地区にて

Photo by しゅくらむ(筆者)

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機動隊員も警備員も、

そして若いイスラエル兵も、

ただ自分の仕事をやっているだけ。


誰もわざわざ争い合いたくなどない。


なのにやりたくもない仕事を

しなくてはならないから、

暴力的・排他的になる。







そして、選挙などのたびに

選択を迫られ、いつも

分断に苦しめられるのは、

地元で暮らしている人達です。




そういう現場に、

人を追い込んではならない

のだと思います。




彼らをそういう場に

追いやっているのは誰なのでしょう?




沖縄の主産業が基地で

基地が無いと生きていけない

経済だったのは、

いまや過去の話です。



基地が無くなって困るのは、

一番基地を望んでいるのは、

いまや本土の方ではないですか。





<沖縄基地の虚実11>跡地の経済効果28倍 基地、発展の足かせに

琉球新報 2016年5月22日付

http://ryukyushimpo.jp/news/entry-283959.html

画像も同紙より拝借しました▼

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■簡単に言えないからこそ。日本の何を変えればいいのか?■






現在、激戦が伝えられている

沖縄の知事選。

非常に厳しい選挙だと思います。



私自身は、翁長知事の遺志を引き継ぐ

玉城デニーさんを支持します。



一方で、本土で生活していて

沖縄で生きていく訳でもない私が、

軽々に言えないとも感じていて。


それを承知で、

それでも何かをせずにはいられない。



日米同盟が必要だとしても、

こんな占領状態のままでいいのか??



せめて現状を伝えることくらいは

しなくてはと思い、

書き綴っています。




沖縄の選挙の結果がどうあれ、

沖縄の中だけの選択に

し続けている限り、

解決が難しいからです。




では、

日本本土の何を変えることが

必要なのか?





「アベ辞めろ」を主張するだけ

では危ういと感じています。


民主党政権時代の野田総理も

米軍基地は地位協定により

提供し適切に使用していると

答弁しました。




最大の要因はやはり、

「沖縄は大変だと思うけど、

やっぱり北朝鮮とか

中国が心配だし、

米軍がいないと困る…」という

本土の精神構造でしょう。



つづめて言えば、

「守ってもらってるんだから

占領状態でも仕方ない」。



それが変わらなければ、

誰が首相でも

どの党が政権を執っても同じ

だと思います。





だからこそこの際、

再検証しておきたいんです。


ホントに「米軍は日本を

守ってくれてる」のか??






■日本防衛が目的じゃない?!■





日米地位協定と他国の地位協定の

国際比較に徹底的に取り組まれた

伊勢崎賢治さんと布施祐仁さんの著書

「主権なき平和国家」から見てみます▼

(201710月集英社クリエイティブ発行)




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***一部抜粋ココから****



※見出しと◆はしゅくらむによります※




”アメリカは日米安保条約によって

日本を防衛する義務を負っていますが、

そのためだけに日本に米軍を駐留

させているのではありません。


むしろ、第一の目的は、

日本の防衛以外にあります。”




【例証】



1968年アメリカ国防総省作成の極秘文書

「日本と沖縄の米軍基地・部隊」

(アメリカの民間機関「ナショナル

セキュリティ・アーカイブ」が

情報公開法に基づいて入手し公開)


「(日本に)日本防衛のための基地は一つもない。

いくつかの部隊が副次的に、

そのような任務を持っているだけだ」




1993年から1995年まで陸上自衛隊

トップの陸上幕僚長を務めた冨澤暉氏


「在日米軍基地は日本防衛のためにある

のではなく、アメリカ中心の世界秩序の

維持存続のためにある」


(公益社団法人「安全保障懇話会」

20092月の会報)




1991年の特別協定を結んだ時の

アメリカ国防長官、ディック・チェイニー氏も


「米軍が日本にいるのは、

日本を防衛するためではない。

米軍にとって日本駐留の利点は、

必要とあれば常に出撃できる前方基地

として使用出来ることである。


しかも日本は米軍駐留費の75%を

負担してくれる。


極東に駐留する米軍は、

米国本土から出撃するより

安いコストで配備されている」


199235日、米下院軍事委員会)





”実際、在日米軍基地は、

朝鮮戦争、ベトナム戦争、湾岸戦争、

アフガン戦争、イラク戦争と

アメリカが第二次世界大戦後に

アジアや中東で行った軍事行動の

ほとんどで出撃拠点や兵站拠点

として使われてきました。”




****一部抜粋ココまで***







そして実際、最新の

米軍の対中戦争シミュレーション

「オフショア戦略」でも、

日本を防衛するなんて書いていないのです。



もし戦争になったら、


「米軍はまず逃げる」


って言ってるんです。




「実際に戦うのは自衛隊で、

戦場は沖縄と日本本土、

アメリカはちょこっと作戦に

アドバイスするだけ」と、

自衛隊最前線部隊出身の

井筒高雄さんも指摘されています。






既に日米合同軍事演習もとっくに

そういうマニュアルで実践されてる。



▼「三上智恵の沖縄<辺野古・高江>撮影日記より

https://youtu.be/92Nxh-PEB28

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こうした事実を見ると、

「米軍が守ってくれる」というのは

自分に都合のいい願望、

というよりもはや幻想です。



この幻想から自由になることが

必要なのではないでしょうか。








■「アメリカに守ってもらってるから仕方ない」と思わなくてもいい!■






解決策は、

改憲よりもまず地位協定の改定だと、

「主権なき平和国家」著者の

伊勢崎賢治さんと布施祐仁さんは

主張されています。




何も日米同盟を今すぐ

破棄するとか、

独自核武装するとかではなくて、

地位協定を普通の同盟国並みの

運用にすることだ、と。





***シェアココから****




”地位協定をめぐる歴史を

冷静な目で見れば、

この問題でアメリカが譲歩する

度合いの大小は、必ずしも

アメリカの防衛にどれだけ

貢献しているかで決まって

いるわけではないことがわかります”



”ドイツでも、韓国でも、イラクでも、

地位協定に関してアメリカ側の譲歩を

引き出す最大の要因となったのは、

受け入れ国の「国民感情」です。”




***シェアココまで****




詳しくはぜひ著書をご参照ください!▼







準戦時下のイラクや韓国でさえ

運用改定を実現できているのです。


なぜ「平時」で「平和」なはずの

日本で出来ないのか?



それは「国民感情」、

私たちの意識次第です。




「仕方ない」と諦める必要はない。



戦略を練りましょう。


これからが勝負だと思うのです。







【当ブログ内関連記事】




▼【日常スケッチ】どこまでも続く田園風景。パレスチナの人たちが、今も「イスラエルって呼びたくない」理由。

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https://syuklm.exblog.jp/25223656/


▼沖縄はいまだ「占領下」。同じことが東京で起こったらOKか?

https://syuklm.exblog.jp/26104806/


繰り返される暴言と沖縄差別。「モグラ叩き」を終わらせる道は?

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▼必見!国防のリアル。「中国脅威論」とガチで向き合う・アメリカが守ってくれない理由。

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# by shuklm | 2018-09-24 06:01 | 沖縄・原発・震災など | Comments(0)

平成最後の敗戦の日・明治維新150年の夏に。読みたい3冊


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▲個人的厳選:いまだから読みたい・読み返したい3







1■なぜ戦争を回避できなかったのか?黒歴史・自賛史観を超えて ■





▼『それでも、日本人は「戦争」を選んだ』 

加藤陽子さん著/朝日出版社/2009年刊


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明治維新後、

「世界最高の頭脳」と称された

日本の指導部が、

「ごく普通のよき日本人」が、

「もう戦争しかない」と思ったのは

なぜか?




「軍部が暴走し、庶民が抵抗

できなかった戦前は黒歴史」

という一面的な歴史観

(その裏返しとしての

日本はこんなに凄かったという

自賛史観)ではない、

侵略・被侵略の図式では見えて

こない視点を提供してくれます。




歴史に学ぶエキサイティングさと

現代に活かせる具体的ヒント満載。








2■明治維新150年、賊軍・官軍の相克から読み解く■





▼『賊軍の昭和史』

半藤一利さん・保坂正康さん著

東洋経済新報社/2015年刊

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「明治維新の”官軍”が始めた昭和の

戦争を、国が滅びる一歩手前で

なんとか終わらせたのは、

全部”賊軍”の人たちだった」






先の戦争で国を破滅へと向かわせ、

今なお日本を振り回す

”官軍”なるものの正体を明らかに

する―というキャッチに魅かれて購入。




まだ斜め読みなのですが、

明治維新が現代にまで与えている

影響を解き明かしていて、

非常に興味深いです。






以下は、個人的見解です。




明治維新は、エリートの

「上からの革命」で、

敗戦もある意味「上からの革命」だった。

それが受け入れられたのは、

「無茶な戦争だけはもう絶対に

御免だ」という国民的合意が

もちろんあってこそですが、

いつのまにかそれが「錦の御旗」

になってしまったのではないか。



左派リベラルが

戦後マジョリティとなった時、

戦争を担った人達が一転して

”賊軍”扱いされ、あまりにも

「無駄死にだった」と冷遇され

すぎたために、遺族の方々の

「自分達の家族・縁者をそこまで

言われたくない」という思いが

強まっていったとしても、

無理はないのではないでしょうか。



それに加えて、

「戦争には負けていない」という

”官軍”でありたい人達からの

「下からの革命」が、現在のヘイト

草の根右派ムーブメントなのではないかと。





その思想的源流と処方を探るために

有効な視点と感じます。









3■地位協定―「交戦」を拒否できない戦後日本のパラドックス■






▼『主権なき平和国家』

伊勢崎賢治さん・布施祐仁さん著/

集英社クリエイティブ/2017年刊

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戦後、平和憲法によって

戦争を放棄し、平和国家として

歩んできたはずの日本。


しかし戦後日本は、果たして

「平和」だったのでしょうか?



その「平和」は、戦後一貫して、

沖縄に基地をしわ寄せして、

沖縄を「憲法番外地」にすることで

成り立ってきたものではないでしょうか。


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なぜ外国軍隊の駐留が必要なのか?


主権と憲法の根源に関わる問題が

放置され、その矛盾が集中して

きたのが沖縄だったのではないでしょうか。



 


憲法で交戦権を否定しているはずが、

日米地位協定によって、実際は

アメリカの戦争への拒否権がない。



地位協定の国際比較によって、

それを明らかにしているのが本書です。





世界でも例を見ない不平等な

日米地位協定のもとで

米軍を駐留させていることで、

アメリカの「自由出撃」を可能にしている。


つまり戦後一貫して、

国際法上は「自動交戦国」だったと。





果たしてこれが独立国なのか?




「主権のない平和」状態を、

これからも続けるのか?


「勝てば官軍」だから、

アメリカについていけばいいのか?




これは沖縄だけの問題ではありません。

現憲法下で、日本中いつでもどこでも

アメリカの戦争に使うことが出来る。






戦後73年。


改めてこの現実から出発して、

現状がどこから来たのかを学び、

過去の歴史からヒントを得て、

少しずつでも変える途を

探っていきたいと思うのです。






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正午、今上天皇が出席する最後の

戦没者追悼式典を見ながら書き始め、

夜、「ノモンハン~責任なき戦い」を見ながら。






【当ブログ内関連記事】


「カミカゼ」をパレスチナに教えたのは日本人。「今でもカミカゼは日本で尊敬されてると思ってた」と聞いた衝撃。




「8月15日終戦」ではなかった。本土玉砕を免れたのは、特攻をとめた人達のお陰だった。







【当ブログ内関連カテゴリー】


安保法・安全保障・日米関係/戦争と平和

https://syuklm.exblog.jp/m2016-08-01/






byしゅくらむ



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# by shuklm | 2018-08-15 21:13 | 安保法・安全保障・日米関係/戦争と平和 | Comments(0)

「沖縄だから仕方ない」「障害者だから仕方ない」…諸々に抗う。追悼:翁長雄志知事 ※知られざる沖縄戦を追った最新映画「沖縄スパイ戦史」リンク等追記しました※


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▲新基地建設予定地の辺野古の海。 photo by ママ崎ママ
この海に、8月17日にも土砂が投入されようとしている…
#Henokoblue
#辺野古ブル









■なぜ対立せざるを得なかったのか?■





長崎原爆の日の朝、

沖縄県知事 翁長さんの訃報に接して、

「国と激しく対立してきた知事」と

いう報道を聞いて。





そもそも、なぜ、

なんのためにそこまでも

対立せざるを得なかったのか?


こちら側(本土)ではあまりにも

語られていないと感じ、

ささやかな抵抗として書きます。





元々は自民党沖縄県連の幹事長。

知事になってからも一貫して

日米同盟・日米安保堅持派で、

自ら保守を任じていた翁長さん。


辺野古への基地移設を推進する側

だった翁長さんが、なぜ

新基地建設反対の最先頭に

立つことを選んだのか?





”「沖縄の総意」を示そうと銀座を

パレードした県内全市町村長らが、

沿道から「売国奴」「琉球人は

日本から出て行け」などの罵声を浴びた。”



▼生粋の保守政治家だった翁長知事の転機 

沖縄タイムス2018.8.9

http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/296083





「十和田湖や松島湾、琵琶湖が埋め立てられたら、

全国はおそらく怒りで震えるでしょう。

しかし沖縄だとそうはなりません。

…無関心な人たちの心は痛まない」



差別と基地が「いじめ」を生む 

翁長知事が語る沖縄デマとニュース女子 


BuzzFeed News Japan 2018.1.4

貼り付け元 <https://www.buzzfeed.com/jp/kotahatachi/onaga-3?utm_term=.dg3vk7Pzd#.olDQBlbje>

(スクリーンショットも上記記事より)

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日米安保が必要だとしても、

この沖縄への仕打ちは

あまりにも酷すぎるだろうと。



なぜ沖縄だからといってここまで

差別されなくてはならないのか?



「沖縄をないがしろにするな」

というのは、本当に

止むにやまれぬ声だったのだと思います。







■自治体の長=地方政府の長の責務って?■





住民の声を体現して

国にもいうべきことは言うのは

自治体の首長として当然の責務です。


国の政府同士だってそうですよね?

ニコニコ握手するだけがすべてじゃない。


地方政府の長が担うべき役割を、

命懸けで果たそうとしていた。






抗いそれ自体を目的にしたい訳じゃない。


抗わざるを得なかった経緯に想いを馳せて。





「沖縄だから仕方ない」

「障害者だから仕方ない」といった

諸々の諦めや空気に抗す思いを、

新たにする日にしていこう。


そう念じた日でした。






■■






翁長さんの死去で知事選挙が前倒しとなり、

政治的には全く先が読めない状況です。




沖縄だけの選択にしている限り、

解決は難しいでしょう。



積極的に安倍政権を支持していなくても、

沖縄に「現状維持」を強いているのは、


「沖縄は大変だと思うけど、

でも日米安保が無いと困るし…」


「北朝鮮とか中国とかやっぱり怖いし…

米軍基地が無いとやっぱり不安」


「原爆は酷いけど、核の傘は必要」…


といった、ふわっとした「民意」。




それをどう変えていけるのか、だと思うのです。



ふわっとした民意を形成している要素、

沖縄をめぐる誤解を、ひとつひとつ

丁寧に解きほぐしていくこと。

現実的な展望を積み重ねていくこと。


気が遠くなるようだけれど、

やっぱりそこだと思うのです。





▼大袈裟太郎さん寄稿 

ハーパービジネスオンライン2018.8.9


翁長雄志知事死去。今だからこそ知っておくべき「本土に届かない辺野古問題の誤解」

https://hbol.jp/172403




▼オキナワ初めてのアナタに贈る・part4。3つの誤解を解こう!

当ブログ2016.10.2 

https://syuklm.exblog.jp/26243695/

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バナーデザインby坂井れいしう




いま現在も、Twitter等のSNSを通じて、

沖縄の想いや直接の体験に触れたひとが、

「考えが変わった」と発信しているように。




被爆者の人達の発話が

世界中の無数の人たちの心を打ち、

その声を繋ぐICAN等の活動が

核兵器禁止条約に結実したように。





絶えることのない

小さな声の連なりが、

これまで何度も何度も

歴史を少しずつ変えてきたように。





その小さな声のひとつでありたい、と思うのです。






◆全国各地で、翁長知事の追悼記帳所が設けられるそうです◆



Siam Cat_036‏ @SiamCat3さんのツイートより


【翁長知事の追悼記帳所】


沖縄県は8日に死去した翁長雄志知事の

逝去を悼むため10日から17日まで

県庁や各地の合同庁舎などに追悼記帳所を設置。

東京は東京事務所(都道府県会館10階)。

開庁日の午前10時から午後4時の間、受け付け。

都道府県会館--

http://www.tkai.jp/Default.aspx?TabId=84

貼り付け元 <https://twitter.com/SiamCat3/status/1027739340913266688>




#翁長知事追悼
#翁長知事死去
#沖縄
#沖縄県知事

#沖縄県知事選挙




追記;

知られざる沖縄戦を掘り起こした

最新力作映画、全国上映開始!!

「沖縄スパイ戦史」▼

▼Yahoo!ユーザーによる映画レビューページはコチラ






********







【当ブログ内関連記事】


▼元海兵隊員も「危険を感じた」オスプレイは、日本の防衛と関係ナシ!今すぐ配備中止を。




▼首相答弁・沖縄の基地の軍事的必然性はなかった!→ゼロベースで考える契機に

https://syuklm.exblog.jp/28095561/


▼【シェア】高江で、機動隊員ひとりひとりに、語りかける。

https://syuklm.exblog.jp/26119302/









PS ブログ4周年の御礼と個人的な思い■




現在アトピー等の回復途上で、

外出を控える状態が続いています。

PCに向かうことも暫く出来ず、

今回、徹夜しても思ったことの

半分も書けず悔しい限りなのですが、

微力でも綴り続けることによって

なにがしかの貢献となることを願います。





2014年夏、

イスラエルのガザ攻撃に対して、

何か発信しないと精神的に死ぬ、

と始めたこのブログ。


お陰様で、89日で4年目を

迎えることができました。

支えて下さった方々には感謝しかありません。


渾身の言葉を尽くせば、

地球の反対側の見ず知らずの人とも

思いを通わせることが出来る。

行動を起こしてくれる人がいる。

その体感が私を前へ進ませてくれました。


そしてそれによって今、

20年以上ずっと抑えてきた、

「描くこと」への欲求が湧き上がっています。

描いて伝えないと死ぬ。




そういう自分が、

持てるリソースを最大限使って、

どう世の中に意味のあることができるのか、

如何に自分も人もハッピーにできるのか、

それを追求し続けていきたいと思います。



ブログ自体はさらに細々となってしまうかもしれません。

こんなニッチでマイナーなブログでも

お待ちいただいている方々には本当に申し訳ありません。


でも自分なりの発信は、形を変えても

変わらず続けていきます。

自分自身が生きていくために。



繋がり続けることによって、

一緒に現実をより良い方向に

塗り替えていけるように。




どうか、今後もよろしくお願いいたします。






平成最後の原爆の日に記す。






BGM:  


楽園

ポロメリア

あなたへの月

星に願いを

ジュゴンの見える丘

ひばり

by Cocco






********





byしゅくらむ



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# by shuklm | 2018-08-12 02:19 | 沖縄・原発・震災など | Comments(0)

「生産性が無い人間は無価値」。杉田発言・相模原事件・優生保護法を貫く「善意による抹殺」に向き合うために。







■「消されていたかもしれない人間」から言わせてもらえば■







大変なご無沙汰恐れ入ります。

アトピー療養で、しばらく

お休みさせていただいていましたが。





自民党の杉田水脈衆議院議員が

月刊誌への寄稿で

「(LGBTは)子供を作らない、

つまり『生産性』がない」とし、

支援のための税金投入に反対する主張を投げかけた問題

BuzzFeed2018/07/23付)について、



「生産性のない人間は不要」という思考は、

LGBTだけに向けられたものでなく、

やまゆり園事件を起こした

植松被告の主張、

優生保護法を推進した医療関係者に

通底するもので、

到底素通りできるものではありませんでした。





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▲NHK ETV特集 2016年放映

「それはホロコーストの

リハーサルだった

~障害者虐殺70年目の真実~」HPより

600万人もが犠牲になった

ホロコースト(ユダヤ人大虐殺)は、

その前段で、約30万人もの

ドイツ人の精神障害者や知的障害者、

てんかんやパーキンソン病など、

回復見込み無しとされた病人たちが

ガス室などで殺害されました。



それも、

「生産力のない障害者を

社会のために減らす」という

「善意」によって、です。






私自身、発達障害当事者です。




てんかん傾向があり、また

以前そこそこ重めの精神症状

(壁が喋っている幻聴)も患いました。



なので、

ナチスT4作戦や

優生保護法下であれば、

収容所送りか、

不妊手術を強制されていた

部類の人間です。




そして現代のこの日本で、

「お前は不要」と宣言されたようなものです。





ですが、それが何か?? 





私が必要か否かを、

勝手に決めるなと言いたい。




幸か不幸かは私自身が決める。


私達の人生は #誰にも決められない






その大前提の上で、

世界的に稀に見る人権問題という点だけでなく

ココではあえて少し違う視点から

なるべく冷静に反証を試みてみます。







■物差しは相対的なモノ■





まず、

#生産性がないと罪悪とか言うけど、

じゃあ例えば「楢山節孝」とかどうなの??



「楢山節孝」とは、

カンヌ国際映画祭で

パルムドールを獲った、

今村昌平監督の映画。



農業生産力が極端に低い

日本の寒村、村落共同体においては、

子供が増えることはムラの死を意味する。



その状況下では、

「生産性が高いことは害悪」だった。




つまり、物差しなんて、

その時々の時代や共同体や状況によって

いくらでも変わりうる相対的なモノ

に過ぎないということです。






■生物学的な生存戦略は「弱肉強食」ではない!■





また、

「人工透析を受け入ている患者は死ね」

と書いて炎上した長谷川豊アナもいましたが、

2重の意味で間違っていると思います。

大炎上!長谷川豊「人工透析患者は死ね」と暴言

https://matome.naver.jp/odai/2147442769155632201?&page=1



理由は、上記で指摘されている通り、

「糖尿病の8~9割は自業自得」

といった認識が事実ではなかった

ことがありますが。



もうひとつ。

糖尿病の原因となる遺伝子は、

飢餓が日常的だった時代には

極めて有効だったということ。



人類は、生存戦略として

あえて弱いと思われる遺伝子も

含めて、多様であることによって、

生存可能性を増やそうとしたということです。




これについて、非常に明快な

説明があります。


ご存知かもしれませんが、

改めて拡散いただきたいので貼りますね。




Yahoo!知恵袋

「弱者を抹殺する。 不謹慎な質問ですが、

疑問に思ったのでお答え頂ければと思い…」

という強烈な質問に対しての回答が秀逸だと話題に


貼り付け元 <https://fundo.jp/5661>




***シェアココから*****




”よくある勘違いなんですが、

自然界は「弱肉強食」ではありません”



”種レベルでは「適者生存」”


”「強い者」が残るのではなく、

「適した者」が残るんです




(「残る」という意味が、

「個体が生き延びる」という意味で無く

「遺伝子が次世代に受け継がれる」

の意味であることに注意)”




”必ずしも活発なものが残るとは限らず、

ナマケモノや深海生物のように

極端に代謝を落とした生存戦略もあります


多産なもの少産なもの、

速いもの遅いもの、強いもの弱いもの、

大きいもの小さいもの、、、、

あらゆる形態の生物が存在する

ことは御存じの通り


「適応」してさえいれば、

強かろうが弱かろうが関係無いんです”




”「優秀な遺伝子」ってものは無いんですよ”




”あるのは

「ある特定の環境において、

有効であるかもしれない遺伝子」です”



”遺伝子によって発現される

どういう”形質”が、

どういう環境で生存に有利に

働くかは計算不可能です


例えば、現代社会の人類にとって

「障害」としかみなされない形質も、

将来は「有効な形質」になってるかもしれません



だから、可能であるならばできる限り

多くのパターンの「障害

(=つまるところ形質的イレギュラーですが)」

を抱えておく方が、

生存戦略上の「保険」となるんです”



”我々全員が「弱者」であり、

「弱者」を生かすのがホモ・

サピエンスの生存戦略だということです”




**********




「優秀な遺伝子」なるものは無い。


私たちは誰もが「弱者」であり、

誰もが「強者」になりうる。


ただ相対的な状況次第だということ。


物凄く納得がいきませんか?






■「障碍者にだって生産性がある」の危うさ■






その上で、ここであえて

付け加えるとすれば。




生産性に対する対する反論として、

「障碍者にだって生産性はある」

という対置は、ちょっと危険

なんじゃないかとも考えます。




もし、

「稼いでる障碍者だっている」

「アートを生み出す障害者だっている」

「障碍者だってこんなに生産性がある」って

同じ土俵に乗ってしまったら、


「そんなものが生産になるか!」

とか、価値観の相違で、

永久論争にしかならないんじゃないか。





そう感じていたところで、

非常に共感した文章に出会ったので、

ご紹介させていただきます。





▼「生産性は本当に『人』の価値ですか?」

義足の女優の思い 

障害者、LGBT、相模原事件


7/26(木)付BuzzFeed

石戸諭 | 記者 / ノンフィクションライター

貼り付け元 <https://news.yahoo.co.jp/byline/ishidosatoru/20180726-00090748/>






そうなんです。




「生きていることそのものの価値」を

どうやって伝えていくのか、

それを考えたいのです。






今回の件、一番問題なのは、

「善意による抹殺」という思考。





杉田議員の主張、

植松被告の論理も、

優生保護法を推進した医療関係者も、

主観的には「善意」で、

しかもそれを支持している層

(良しとしてきた層)がいる。





小田嶋隆さんも指摘されていますが、

奇矯な特定の一個人の見解でなく、

「ひとつの民意である」という事実。




小田嶋隆の「ア・ピース・オブ・警句」 ~世間に転がる意味不明

杉田水脈氏と民意の絶望的な関係 2018727日付

貼り付け元 <https://business.nikkeibp.co.jp/atcl/opinion/15/174784/072600152/>



絶望的ではありますが、

事実としてはその通りでしょう。





ですが、絶望して終われないのです。




それとどう向き合っていくのかを考えたいのです。






【体調が許せば、後日part2

書きたいと思います】




byしゅくらむ



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# by shuklm | 2018-07-28 22:42 | ホロコースト/ヘイトのこと | Comments(3)

米朝会談前に・part2。なぜ北朝鮮は核開発を加速させたか?転換点は「イラクとリビアの教訓」~中東からの視点を手掛かりに。







1■「カダフィ政権崩壊はリビア非核化と別問題」か??■






前回はリビア方式非核化を担った

アメリカ最強硬派の主張を紹介してきました。

https://syuklm.exblog.jp/28358263/



今度は、非核化はリビアと北朝鮮に

何をもたらしたのかを見ていきます。


(ノート状態で長文で恐縮ですが、

ご参考になれば幸いです)。

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世の中的な評価としては、

「リビアが非核化したのはよかった。

テロ国家指定も経済制裁も解除された。

カダフィ政権崩壊したのは残念だった

けど」という報道が多いようです。




代表的なのは、

「リビア方式が最善」と唱える

島田洋一氏の以下の主張でしょう。


月刊Hanada20187月号より





***引用ココから***



”産油国リビアの場合は、

制裁解除と同時に、

原油の輸出で経済発展の道筋が付けられた。



大量破壊兵器とミサイルの放棄により、

カダフィは内政の安定を経て、

最終的に二〇一一年、

「アラブの春」の波の中で

殺害されるまで、命脈を保ち得た。


原爆を持っていてもデモ隊には使えず、

二〇〇三年に核を放棄していなければ、

経済的な行き詰まりで、おそらく

より早期に命を落としただろう。”




***引用ココまで****





しかし、もう一方の当事者である

リビアが属するアラブ世界や

アフリカの側の認識を知ると、

それはあまりにもフェアではないと感じます。






ここで主に道案内人としてご紹介する

重信メイさんは、日本赤軍幹部の娘と

して中東で生まれ育ち

ジャーナリズムを学んだという

特殊な生い立ちを持つ方ですが、

現地情勢に精通されているだけでなく

フェアな視点を持っていることから

信頼に足る方と思っています。





リビアの最高指導者だったカダフィの評価についても、

「革命当初は、チェゲバラのような

ハンサムでポリシーのあるリーダー」

であり、全世界の反体制活動・

民衆運動を支援してきたという

「光」の面と同時に、

内政での専横という負の面についても

きちんと指摘されています。





そのカダフィですが、

核査察・非核化を受け入れたのに、

なぜ倒れたのか?





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▲重信メイさん著「アラブの春の正体

欧米とメディアに踊らされた民主化革命」

2012年・角川oneテーマ21発行








2■非核化受け入れ後の暗転■






革命で政権を奪取した頃は、

「アラブナショナリズム」を掲げる

エジプトのナセル大統領に憧れ、

欧米に対抗していたカダフィですが、

それが挫折すると、アフリカに軸足を移していきます。



そして2000年代、一転して

欧米との外交に積極的になり、

核査察を受け入れ、核兵器の廃絶、

テロ路線からの転換に大きく舵を切ります。

(1988年イギリス・ロカビー上空で

起きたパンナム機爆破事件の

賠償金支払い等)





それにもかかわらず、ある時点を境に

バッシングが始まったといいます。




なぜ、欧米と対話を始めたカダフィに

対して、バッシングが始まったのか?





重信メイさんの指摘する要因は3つ。



1つ目は、リビアの持つ豊富な資源

天然ガス等)、


2つ目は、リビアと中国の接近、そして


3つ目、決定的な要因は、

「アフリカ合衆国という

独自の経済圏構想だったと。




カダフィは2010年、

「アフリカ連合」の会議で

金本位のディナールという地域通貨を作ることを発表


これが欧米社会の強烈な逆風を呼んだというのです。





***引用ココから*****




(重信メイさん著「アラブの春の正体

欧米とメディアに踊らされた民主化革命」

2012年・角川oneテーマ21発行 より)


※≪≫箇所はしゅくらむによる補足です





いままで、有力な国際通貨と言えば

米ドルかユーロでした。


アメリカにとっては

ドルが基軸通貨である限り、

足りなくなれば刷ればいい、

打ち出の小槌を持っている

ような状態が続いています。


かし、お金ではなく

普遍的な価値のある

を使うということになれば、

アメリカやユーロ圏は大打撃を受けるでしょう。


イラクの元大統領サダム・フセインは

二〇〇二年に石油の売買をドルではなく

ユーロを使うと宣言しました。

同じ年、アメリカによってイラク戦争が起こされました。”




”このことと戦争の関係は

明言できませんが、

事実として覚えておく価値が

あると思います”





***引用ココまで*****





少なくとも、2010年末

アフリカ連合の会議で

「金本位」を宣言した

そのタイミングで、リビアで

「革命」という名の「内戦」が

起こった、とアラブやアフリカでは

見られているそうです。



それまでの「アラブの春」が、

止むに止まれぬ民衆の声、つまり

「下からの革命」だったのに対して、

カダフィ政権への反政府運動は、

欧米が介入した「内戦」だったと。







3■ゆがめられた「リビアの春」■






2011年、

リビアへのNATO空爆のキッカケは、

「リビア政府軍による虐殺」という

1本の電話でした。






***引用ココから*****





”この時、私はアルジャジーラの放送を

フォローしていたのですが、だんだんと

報道が偏っていくことを感じました。


たとえば、現地に危険では入れない

という理由で、電話取材の音声を

どんどん流し始めたのです。


誰が証言をしているのかも、

どこから証言しているのかも、

それが本当の証言なのかも

わからないまま”





”あるとき、アルジャジーラの

電話取材を受けた人が

「いま、リビア政府軍が

一般住宅を空爆しました。


一〇〇〇人以上が亡くなりました。

虐殺です」と叫びました。


そしてすぐにアルジャジーラが

「民間の住宅地が空爆され1000人の犠牲者が出た」

というテロップを流し続けたのです。


私はこのとき、

CNNBBCも観ていたのですが、

ほんの数分後には、

アルジャジーラの情報を

もとに緊急ニュースとして、

同じニュースを流しました。


そして、この報道がきっかけとなり、

数日後の国連で、国際的な軍事介入を認める決議が出ました。





私はこのニュースを見たとき、

違和感を感じました。




まず電話取材だけで、なぜ

この無名の人の言っていることが

正しいと言えるのだろう。

誰もウラを取っていないのに。


一〇〇〇人という犠牲者の数も

どこから出てきたのか。


ジャーナリストであれば

誰もが疑問に思うことが

疑いもなく報道されていたのです”




≪その後これが事実と異なることが判明するも≫


”リビア攻撃のきっかけになった

この誤報について検証することも

されていません”






NATOによる空爆に

「アメリカは参戦しなかった」、

言っていますが、事実とは異なります。



今回の「反乱」が起こった直後から、

アメリカのCIAは国民評議会

≪反カダフィ派≫の兵士の

軍事訓練に関わっていました。


一度、CIAの乗っているヘリコプターが

墜落したことがあり、その事実が

バレてしまったのです。




しかしそのことを取り上げたメディアは

ごくわずかでした。”





●無視されている「カダフィ後のリビア」





20118月、

カダフィは自宅を追われ逃亡し、

カダフィ政権は崩壊しました。


そして、1020日に国民評議会が

カダフィが死亡したことを発表しました。



それまでメディアは

あんなに騒いでいたのに、

カダフィが死んだあとはさっぱり

報道が止んでしまいました。



おそらく、世界中の人たちは、

その後、リビアは民主化されて

平和な状態が続いていると思っている

のではないでしょうか。”





”しかし≪発行の2012年当時≫、実は

まだ内戦が収まってもいないのです。



いろいろなところで自治政府を作ったり

独立すると言い出した部族も出てきました。


いまのリビアは、部族間の対立が激しく

なっていますが、それは各部族が

武器を持ってしまったからです。


今回の内戦で、欧米、カタール、

バーレーンの「支援」で送り込まれた

大量の武器のお陰で、

リビアはいつ新たな内戦に突入しても

おかしくない危険な状態にあります”




”いま、欧米のメディアはリビアの状態を

見て見ぬふりをしています。

アフリカで起こっている出来事が

報道されないのと同じです。”





***引用ココまで*****





実際この後リビアでは内戦が勃発し、

報道は途絶えました。




私自身も今回、

東京外国語大学の

「日本語で読む世界のメディア」

http://www.el.tufs.ac.jp/tufsmedia/

(アラビア語・ペルシア語・トルコ語等の主要メディアをカバー・訳出)

等で検索してみましたが、

「革命後」リビアの情報は、ほとんど

ヒットしない状態でした。





その中でも見つけることのできた

数少ないリビアについての記事は、

悲憤に満ちたものでした。





▼「シリア、イエメン、リビア:アラブ世界の

再植民地化のための革命が起こったのか?(2)」

http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/html/pc/News20170810_103234.html


2017年08月05日付 al-Qudsal-Arabi紙

ファイサル・カースィム博士

(翻訳者:中鉢夏輝氏)




”リビアは、同国の覇権と資源の分配を狙う

多くの勢力の間の戦場と化した。


権力と戦ったリビア人は、

外国勢力がリビアを支配し傘下に置くために

利用する駒に成り下がった。”



”ロシアを含む多くの国々が、

リビア領内に自国の軍事基地を

建設したのではなかったのだろうか。”



”国内の圧制を終わらせるために

国民は立ち上がったはずだが、

外国の圧制が到来した。”



”革命の結果、新たな植民地主義の

ほかに何が残っているだろうか。”







4■「独裁者の末路」が意味するもの・「イラクもリビアも、核を持っていなかったからやられた」■





カダフィ死亡時の詳細は

いまだ不明なままですが、

拘束されて路上に引きずり出され、

リンチを受けて血まみれになりながら

悲鳴を上げる「最後の映像」が流出し

「これがかつての独裁者の姿か」と、

世界中に衝撃を与えました。


私もそれを観たひとりです。




それが北朝鮮の政権に与えた

インパクトはそれ以上だったでしょう。


カダフィ氏の死亡状況は情報錯綜、拘束時「何が起きている」

貼り付け元 ロイター2011年10月21日付


※静止画ですが流血有り。閲覧はご注意ください

<https://jp.reuters.com/article/idJPJAPAN-23737520111020>






「リビアは核査察も受け入れ、

テロ支援国家指定も経済制裁も

解除されたのに、結局

国土は空爆に晒され政権は崩壊した。



かつてアメリカの”子飼い”だった

イラクのフセインも、最終的には

公平な公開裁判なしに殺された。



自分達もこれと同じ最期を辿るのか?」

と。





つまり国際社会の介入に従っても、

欧米の意に反するとなるや反故にされ

その時々の都合で結局はやられてしまう

という「教訓」を北朝鮮に与えた

のではないでしょうか。





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▲ちょうど1年前20175月の日曜討論にて

南山大学教授・平岩俊司さんNHK

南北会談をリアルタイム解説されていた方)

が同様の指摘をされています。





「北朝鮮が核開発を始めた当初は、

『核開発を放棄する代わりに

平和協定を結んでほしい』とか、

有利に交渉するためのカードの一つだった。



しかしその後イラク戦争で、

『フセイン大統領が核を持って

いなかったために攻撃された』、


リビアでは『カダフィ大佐が核を

放棄したために、最終的には

アメリカによって排除された』

という思いが非常に強い。




『やはりなんとしても核を持たないと

いけない』ということで、いまや

交渉カードと言うより、明確に

アメリカに届く打撃力を持つことが

交渉力になるし、自分たちの体制維持に

繋がると考えていると思います」







これを、イラク・リビアの年表に

北朝鮮の年表重ねてみると、

一目瞭然です。



参考:「原水爆禁止日本国民会議」

ホームページ

http://www.gensuikin.org/nw/libya.htm

核兵器のページデータに基づき作成

(赤字がイラクとリビア)



200319日 IAEAのイラク核査察報告。

 (1991年~98年の査察で新たな核兵器開発の証拠見つからず。

 しかしアメリカはイラクへの攻撃意思を取り下げず)


2003110日 北朝鮮、アメリカの軍事的脅威を理由にNPT脱退表明


20032月 イラク、IAEAの指示に従いミサイル廃棄

20033月 イラク攻撃


2003年12月 イラクの元フセイン大統領、米軍に拘束される

2003年12月 リビア、すべての化学・生物・核兵器を放棄と発表


2004年 イラク戦争後、大量破壊兵器の捜索をアメリカが断念


2006年北朝鮮第1回核実験

2009年北朝鮮第2回核実験、テポドン2発射


2011年 NATOの軍事介入、リビアのカダフィ政権崩壊

2013年北朝鮮第3回核実験

2016年北朝鮮第4回・第5回核実験





「制裁対象だったイラクやリビアが、

国際社会の言うことに従って

制裁解除しても核廃棄しても、

結局無駄だったじゃないか。


イラク戦争の根拠が嘘だとわかっても、

リビアも非核化した後やられた。

むしろ核を手放したらおしまいだ」

と、北朝鮮が核やミサイル開発を

加速させていることが見て取れます。




実際、

長距離ミサイル・核を持つことによって、

アメリカは本土への反撃を危惧し、

北朝鮮を攻撃しづらくなっている。


「核とミサイルがあればやられない」

いう北朝鮮の認識を裏付ける結果と

なってしまっています。






こうした事実から見るとき、

リビア方式による非核化の結果として

正反対の結果を北朝鮮にもたらして

いるのではないでしょうか。



そういう意味では、大局的には

「リビア方式」「棍棒外交」は

失敗だったといえると思います。





しかもリビアと北朝鮮では核開発の規模が違う。


リビアのそれがほんの初期だった

のと比して、北朝鮮は

核実験まで成功させ、

国防の要となっています。






「リビア方式」というワードを

使わなくても、

即時の「完全かつ検証可能で

不可逆的な非核化」、

「さもなくば圧力最大化・

攻撃も辞さず」というのは、

それとほぼイコールです。



だからこそ、

今回もアメリカが「棍棒」を

振りかざし続けるなら、

交渉が決裂しかねない。



それを強く危惧します。






別に北朝鮮の肩を持つつもりは

ありませんが、

調べてみる限りでは、少なくとも、

「体制を崩壊させない」という保障と

短期的でなく長期的段階的な非核化が

現実的な道というのが事実なのでは

ないでしょうか。





まずはそこになんとか

軟着陸出来ることを願って、

明日の会談を見守りたいと思います。







(北東アジアの平和構築と

朝鮮半島非核化の

具体的な前進のためには、

朝鮮戦争の司令部である在日米軍基地と

地位協定見直しが不可欠だと考えますが

それについてはまた別途書きたいと思います)






【当ブログ内関連記事】



▼米朝会談前に・part1。「リビア方式が成功例」と言う根拠は?対北朝鮮・最強硬派の主張を聞いてみる。




▼北朝鮮危機に考える国防part4・これが38度線リアル!太平洋32か国の軍トップと議論したことは?解決の方途は?@伊勢崎賢治さんJazzLIVE






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# by shuklm | 2018-06-11 20:23 | 安保法・安全保障・日米関係/戦争と平和 | Comments(0)