コレが戦場PTSDリアル!人生をどう変えてしまうのか、米兵の精神ケア専門家が指摘!@VFPジャパン設立総会レポpart2
南スーダン派遣の自衛隊員から自死者が。
ご本人や、遺されたご家族の苦しみは、
一体どれほどなのか…。
「戦闘現場」から遠く離れても、
安全なはずの故郷へ帰国しても、
「誰が敵か味方かわからない戦場」
の記憶は、終わってくれない。
それはすでにアメリカの元兵士たちによって
繰り返し語られてきたことです。
まさにそのアメリカ兵の戦場PTSDについて、
先日のVFPジャパン総会にて解説した専門家が、
「これは日本の未来の姿でしょうか?」と
投げかけていました。
これ以上、こんな悲しい犠牲を
生み出さないために何が必要なのか?
ぜひこのリアルを共有することから
始めたいのです。
2017年6月9日、VFPジャパン
(平和を求める元自衛官と市民の会)
設立総会にての
サミュエル・コールマンさん講演
「元兵士の精神障害を考える」より再録
(一部しゅくらむの意訳が含まれていることはおゆるしください)
▲講師サムさん
VFP(ベテランズ・フォー・ピース;
平和を求める退役軍人の会)
アメリカ本部 被害調査リーダー・
PTSDケアのスペシャリト、
カリフォルニア州立大学
文化人類学社会福祉学講師
(写真はすべて筆者撮影)
*****以下、講演より再録***
◆永遠戦争の泥沼に足を突っ込んだアメリカ◆
ご存じのとおり、アフガン戦争は
17年目になりますが、まだ終わらない。
現在アメリカは、リビア、イエメン、
シリア、イラク、ソマリアなどで
軍事行動を続けています。
アメリカの元兵士の状態から
日本人が学べることは、
目に見えない障害である精神障害は
元兵士の深刻な問題であるということです。
◆米国元兵士のPTSD発生率◆
イラクとアフガン戦争は14%(現在)
湾岸戦争は10%(調査当時)
となっています。
しかし、PTSDは、数十年たってから
発症する場合もあります。
例えば、ベトナム戦争帰還兵の
PTSD発症率は、
男性15% (1986年〜1988年)
女性8% (1986年〜1988年)
ですけれども、一生涯の有病率だと、
こうなります。
男性31% (予想)
女性27% (予想)
これは日本の将来の姿でしょうか?
◆米国元兵士の自殺発生率◆
VA(アメリカ復員軍人援護局)の
調査によると、元兵士の自殺発生率は、
一般市民より21%高いという数字が
出ています。
しかし、実際の自殺発生率は、
議論の的となっています。
政府発表の数字は、
小さすぎる可能性が高いのです。
この写真をどうか見ていただきたい。
彼は、オハイオ州海外戦争復員兵協会
第7管区のサウィッキ司令官です▼
その肩からぶら下げた軍靴は、
自殺した復員兵のシンボルです。
◆癒しの第一歩…解決の道は?◆
簡潔・単刀直入に言っておきたい。
アメリカにこのような諺があります。
「もし自分の掘った落とし穴に
はまってしまったら、まずは
その穴を掘るのをやめることだ」、と。
この場合は、戦争のことです。
◆元兵士の癒しのために◆
軍事予算を大幅に減らすならば、
国の財産は、武器の製造ではなく、
元兵士とその家族の健康のために
使うことができます。
◆◆◆
本日は有難うございます。
皆さま、VFPジャパン設立に
大変努力されたと思います。
アメリカVFPの代表として
心から感謝いたします。
ここでお話しさせていただくことは
大変光栄です。
日本でもこのような取り組みが
広がっていくことを、心から望んでいます。
*****再録ココまで*****
★サムさんの講演はすべてYoutubeで視聴可能!
ベテランズ・フォー・ピース・ジャパン設立記念シンポジウム
「戦争のリアルと戦争する国の経済のリアル
〜イデオロギーからリテラシーへ〜」
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■誰がこの苦しみを置き去りにしてきたのか?■
サムさんの柔らかな語り口と
平易な日本語に比して、
その指摘の重さと深刻さは、
じわじわと身に迫るものでした。
ベトナムから最後の米兵が
撤退してから、実に44年。
それでもなお帰還兵は、
これからの人生も
戦場の記憶から逃れられずに
3人に1人以上が精神を蝕まれ、
通常より高い自殺リスクに晒される
ことが予想されるという、
かくも長い戦争のコストを
ずっと払わされ続ける。
世界で最も過酷な訓練を受けた
「世界最強」の海兵隊員を含む
米兵ですら、この状況なのです。
ましてや、災害救援や国防を志したはずの
自衛隊員にとっては、一体どれほど
想定外のストレスをかけることになるのか。
アメリカの帰還兵と同じような状況を、
私たちはこれからも
自衛隊員にも強いるのか?
「アメリカと軍事一体化する、普通の国になる」、
「給料もらってるんだから尖閣防衛は当然」などと
威勢良く唱える政治家や論客の方々は、
こういう負の現実を、正面から
国民に問うべきだと思います。
自衛隊員のこうした犠牲を、
これから先、国民は受け入れる覚悟がありますか?と。
そして私たち国民の側も、
この苦しみを今まで置き去りに
してきてしまったのは誰なのか?と
自分自身に問い返す必要があると、
痛切に感じます。
これ以上の苦しみを繰り返させないために、
まず同じ市民として受け止め、
寄り添っていきたいと思うのです。
次回、
「コレが海外派兵リアル!元自衛官が語る@VFPジャパン設立総会レポpart3」
へ続きます
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