元アメリカ兵が語る戦場リアルpart3・今も兵士を苛む戦争の記憶。PTSDから回復する力を与えてくれた2つのこと【採録】
イラク戦争で多くの人を傷つけ、
友人を喪い、深刻なPTSDを負いながら、
10年かかって回復して、
いまは平和のために自分の体験を語る活動を
続けるマイク・ヘインズさん。
スピーキングツアーにて筆者撮影▼
■今も自ら命を絶つ帰還兵がいる■
帰国してから元の生活に戻るのに、
非常に困難がありました。
帰還後、行く先々で皆が、
「君を誇りに思う」、
「兵士として国のために戦ったことに感謝する」
と言って称賛し、英雄として
もち上げてくれるのですが、
私は「自分は軍産複合体のために奉仕していた」
と思いました。
イラク戦争の時、ちょうど私の娘が生まれました。
しかし家庭は壊れ、
私は離婚しかかっていました。
だんだん孤独になっていって、
外界との交流を断つようになりました
多くの帰還兵がPTSDになっています。
退役してから精神を病み、
社会復帰できない者も多く、
いまでも毎日、22・23人の帰還兵が
自殺しています。
私の友人も…。
自殺者の方が戦死者よりも多いのです。
■立ち直る力を与えてくれたのは■
私がこうして戦場での体験を
人前で話せるようになるまで、
10年かかりました。
2つの回復が必要でした。
そのひとつ目は、水耕農法でした▼
私は自分で野菜を作り、
命を育て創造することで、
少しずつ回復していきました。
収穫期にはたくさんの野菜が採れて、
それを隣人と分け合うことで、
地域コミュニティの一員となっていく
ことが出来たのです。
2つ目は、この「ベテランズ・フォー・ピース」の
活動に参加することでした。
ベトナムやイラクなどのアメリカの戦争を体験した
元兵士たち等が集っている、
平和を求める退役軍人の会です。
2年前にべテランズに参加し、
同じ体験をした者同志それをシェアし、
自分の過去と向き合いました。
最初に怒りが湧き、非難の感情が起こり、
様々な段階を経て、そのあとようやく
人に語れるようになりました。
PTSDから脱するためには、
負のエネルギーを正のエネルギーに
変える必要があります。
▲Photo by ベテランズ・フォー・ピース(Veterans for Peace)
「ベテランズ・フォー・ピース」の仲間たちと、
沖縄にも行きました。
辺野古や高江の基地建設反対の
座り込みにも参加し、
現地の人たちと交流しました。
そうした活動が、
私をポジティブな活動をするよう
変えてくれたのです。
【続きます】
※「平和を求めるアメリカの退役軍人の会 ベテランズ・フォー・ピース」全国スピーキングツアー
2016年11月27日横須賀産業交流プラザにて開催・
交流集会でのトークより
再構成・採録を数回に分けてお届けします
(通訳:ピースデポ研究員 山口大輔さん)
※一部しゅくらむの意訳が入っておりますことお許しください
■ベテランズ・フォー・ピース(Veterans for Peace)とは?!
ベテランズフォーピースは退役軍人、軍人の家族、同志で構成される国際組織です。
平和の文化を構築し、戦争の真のコストを露出させ、戦争の傷を癒すことに専念しています。
ネットワークは、米国および海外全体で120以上の支部で構成されています。
公式サイト:
https://www.veteransforpeace.org/
■今回のVFP全国スピーキングツアー企画;
ベテランズ・フォー・ピース 2016/11 来日ツアー実行委員会
OVERSEAs(安保法制に反対する海外関係者の会)
https://www.facebook.com/events/1788504961423362/
【当ブログ内関連記事】
元アメリカ兵が語る戦場リアルPart1・なぜ自分はイラク戦争に行ったのか?
http://syuklm.exblog.jp/26421959/
元アメリカ兵が語る戦場リアルPart2・イラク戦争で直面した現実「自分こそがテロだった」。
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