【時事】ココがヘンだよ安保法制・その2。「NGOを守るために派兵」って、超メイワク!!
安倍首相は、安保法制整備の理由のひとつに「邦人保護」を挙げました。
例えば、「日本のNGOを自衛隊が救助しなくていいのか」、と。
あのですね、当のNGOの人たちが、「軍隊が出てきた方が、NGOは危険になる」って言ってるんですケド??
「軍隊と一体的に行動することは、現地との信頼関係を壊し、敵意を招く。
NGOの安全の確保にはつながらない。むしろ危険になる」。
これは、人道支援の現場のリアルな実感として、何度も言われてきたことです。
例えば、日本紛争予防センター理事長 瀬谷ルミ子さんは、
ソマリア・スーダンなどの国際紛争の現場に関わってきた経験から、
昨年の集団的自衛権の閣議決定に対して、
「政府が、『NGOを軍隊に守られる存在』として公言したことは、危機管理上、非常にまずい」と指摘されていました。
(2014年8月15日放送 NHK討論番組より)
アフガニスタン・パキスタン地域で30年以上に渡って人道支援に取り組んで来られた「ペシャワール会」の医師・中村哲さんも、「日本の人道支援は、軍隊と関係なく活動しているからこそ現地の人に信頼されてきた」と、繰り返し語られています。
むしろ、あらゆる軍隊と距離を取ることで、非軍事だからこそ自分たちも安全に活動できてきた、と。
私自身、パレスチナのジェニン難民キャンプで、イスラエル軍の砲撃と銃声の聞こえる現場から帰ってきた経験からも、まったくその通りだと思います。
なぜ、危険な「戦闘現場」からケガひとつなく安全に帰ってくることが出来たのか?
答えは至極カンタン。
「現地の人が助けてくれたから」、です。
現地へ入る時に案内してくれたのは、パレスチナ人のコーディネーター。
戦闘が始まって退避する時に先導してくれたのは、国連の現地職員でした。
結局は、顔の見える現地の人たちとの信頼関係が最大の安全保障ってことだと思うんです。
だから、軍隊を動かす理由は「NGOを守るため」って主張は、迷惑極まりないと感じます。
都合よく引き合いに出すのはホントやめてくれる?!って言いたいです。
※「自衛隊が迷惑な存在」などと言いたいわけではなく、「派兵の理由にNGO保護」を主張する与党の理屈が迷惑と言いたいのが意図なので、タイトルを「NGOを守るために自衛隊って超メイワク」から「NGOを守るために派兵って超メイワク」に変更しました(2015.7.29)
【関連記事】
2014年10月17日UP記事 「ジェニン6・近づいてくる銃声。手を振る子供たち。」↓
http://syuklm.exblog.jp/23558890/
2014年2月15日UP記事 「邦人救出できない法は変えるべし」という主張が無視しているもの。イラクでもアフガンでも、「日本人だから攻撃されにくかった」理由。↓
http://syuklm.exblog.jp/24136507
シュクラムは、アラビア語で「ありがとう」。
筆者が知る数少ないアラビア語です。
ここでの出会いと、ここまで読んで下さったことに、感謝をこめて。
シュクラム!
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