【時事】ココがヘンだよ「安保法制」。法律を変えれば安全になるのか?
5月15日、政府は新たな安全保障関連法案を国会に提出(15日付 神奈川新聞1面)
安倍首相は「国民の命と平和な暮らしを守るため」と説明し、「『戦争法案』とレッテルを張るのではなく中身のある議論をしてほしい」と主張しました。
じゃあ、中身で具体的に考えてみましょう。
例えば、日本がミサイル攻撃されたとしたら?
「法律を変えれば安全になる」のか?
答え⇒ならない。
なぜなら、世界最新の防衛システムでもミサイル攻撃は防げないから。
それは、昨年のガザ攻撃ですでに証明されています。
2014年夏、イスラエル軍によるガザ地区への空爆に、パレスチナ側はハマスがロケット弾で応戦。
そこから私たち日本が学ぶべきこととして、国際政治学者の高橋和夫さんが指摘されていたことを、一つの視点としてご紹介させていただきます。
「高橋和夫の国際政治ブログ」2014年08月14日
http://ameblo.jp/t-kazuo/entry-11909744060.html
(まだ戦闘が続いている時期の記事です)
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”我々は、今回のガザの戦闘から何を学ぶべきか。
それは、新しい戦争の形態が垣間見えるということです。
つまり、ハマスはこれだけロケットを撃ち込んでいる一方で、イスラエルは、真実かどうかは別として、迎撃ミサイルのアイアンドームで、その9割は撃ち落としていると主張しています。
しかし、いくら爆撃してもミサイルは止められていない。
あれだけひどく爆撃しても、毎日毎日ハマスからロケット弾が飛んできています。”
”つまり、将来、日本が何らかの形で戦争に巻き込まれた時、日本に敵対する国がミサイルを撃ち込んできたら、アメリカ空軍がいかに頑張ったとしても、その攻撃を止めることはできないということです。”
”恐らく、日本に敵対する国は、ハマスよりもっと正確に、長距離でスピードの速いミサイルを撃ってくるはずですから、在日米軍基地すら守ることはできません。
米軍がグアムやオーストラリアなど後方に下がろうという雰囲気の背後には、中国のミサイル能力が飛躍的に向上しているということがあると思います。
ミサイルを撃たせてしまったら最後、どうやっても止められないと分かっているからでしょう。
そういう状況に追いつめてしまったら、泥沼化は避けられないということです。
今のガザの惨状が、そのことを私たちに示しているのです。”
(改行は筆者による)
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人道的な見地はひとまずおいて、事実として、イスラエルの軍事技術は常に世界最先端です。「最新の兵器はまずイスラエルで実戦実験される」と言われています。
その最新鋭の防衛システム「アイアンドーム」をもってしても、ハマスの手作りロケットをすべて撃ち落とすことは出来なかった。
もっと性能のいい長距離ミサイルならなおのこと、アメリカがどんなに頑張っても防ぐのは不可能。
だから、「相手がミサイルを撃たなくてはならないような状況」に追い詰めるべきではない、ということだと思います。
アジアの現状から見れば、
たとえば北朝鮮にとって、朝鮮戦争は「休戦中」。1950年の開戦以来、65年間ずーっと戦争状態が続いているわけです。
こちらが手を振り払っただけのつもりでも、政権も国民も「やられた!やり返さなくちゃ!」と過剰反応したっておかしくない。
軍事的にどんなに力量差があったとしても、やらざるをえなくなってしまう。
相手を追い詰めたりヤケクソにさせないようにどうするか、それが「安全保障」じゃないんですか?
シュクラムは、アラビア語で「ありがとう」。
筆者が知る数少ないアラビア語です。
ここでの出会いと、ここまで読んで下さったことに、感謝をこめて。
シュクラム!
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